シケムでのシメオン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 15:52 UTC 版)
「シメオン (ヤコブの子)」の記事における「シケムでのシメオン」の解説
トーラーによると、シケムという名のカナン人によってシメオンの妹のディナが強姦された(他のバージョンでは単に誘惑された)際、シメオンと彼の兄弟のレビは町の住人を騙して割礼させ、割礼の傷で弱っている間に町の男性全員を剣で殺害するという激しい報復を行った。後にヤコブの祝福 (en)において、以下のようにヤコブは厳しくシメオンとレビを批難した。 シメオンとレビとは兄弟。彼らのつるぎは暴虐の武器。わが魂よ、彼らの会議に臨むな。わが栄えよ、彼らのつどいに連なるな。彼らは怒りに任せて人を殺し、ほしいままに雄牛の足の筋を切った。彼らの怒りは、激しいゆえにのろわれ、彼らの憤りは、はなはだしいゆえにのろわれる。わたしは彼らをヤコブのうちに分け、イスラエルのうちに散らそう。 —日本聖書協会、『聖書 口語』(1955年) 一部の聖書学者は、ディナの強姦の記述は原因論的な神話であり、シケムの聖地の存在を正当化するためにヤハウィストによって作られたと考えている。シケムの聖地に関してエロヒストの記述では、単純にヤコブが土地を購入したとされている。ヤハウィストの記述は聖地に対する覆い隠された軽視だと見られている。聖書学者はシメオンの報復とヤコブの祝福における罰は、紀元前900年から700年の聖書の著者が生きた時代に、なぜシメオン族の存在が衰えていたのかを説明するように設計された、原因論的なポストディクションであると見ている。ミドラーシュの一つであるセーフェル・ハイ=ヤーシャール (en)では、割礼をする必要があると言ってシケムの父ハモルを騙したのはシメオンであるとし、続いて、シメオンがわずか13歳にもかかわらず非常に強く、兄弟のレビの協力を受けつつも独力でシケムの町の男性全てを虐殺することができ、85人の若い女性を捕らえ、ボナという名の女性と結婚したと主張している。
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