シア・カーンの警告
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 22:38 UTC 版)
「ジャングル・ブック (2016年の映画)」の記事における「シア・カーンの警告」の解説
それから雨季が終わり、マフアの木の花も咲かない、例年になく非常に熱くて長い乾季が訪れたときのことである。ヤマアラシのイキは、川の水が乾上がって姿を現した平和の岩を発見した。「水の休戦だ!」トビも羽ばたいて声を上げる。この休戦宣言によって、普段は食べられる側であっても安心して川の周りに集まってくるため、貧しくとも多様な生物が集う平和な光景が見られる。だが、しばらくして、岩場の空気が一変した。人間の仔であるモーグリの臭いを嗅ぎつけ、ハゲワシとともに恐ろしいトラのシア・カーンが現れたのだ。彼は人間に対して強い恨みを持っていたため、オオカミたちはモーグリを守ろうとしたが、シア・カーンはモーグリの価値と多くの命を引き合いに出し、水の休戦が終わったら、モーグリ以外の者に危害を加えかねない可能性を示唆した。 アマガエルとともに、ジャングルに雨が戻ってきたその夜、モーグリはこの件で揉めているラマやアキーラたちのもとへ行き、ここを出ていくことを宣言した。ラクシャは猛反対したが、バギーラもそれがモーグリの命を救う最善の方法でもあるとして、自ら彼を連れていくことに名乗り出た。結論が出て、母と仔は悲しみに暮れた。群れを離れたモーグリはバギーラから人間の村へ行くことを明かされたが、納得しなかった。その道中、森の中でゾウの群れに遭遇した。バギーラは、ゾウの前では頭を下げて敬意を示さなければならないと教えてくれた。なぜなら、ジャングルを創ったのは彼らであって、山々や木々も彼らのおかげでできたからである。鳥には木々が与えられた。しかし、ゾウが人間に与えたものはない。バギーラは「それがモーグリがジャングルを去るべき理由だ」と言った。 しかし、彼らが森を抜けて草原に出たときのことである。シア・カーンは、そのタイミングを狙っていた。バギーラから北へ逃げろと言われ、走りだしたモーグリ。幸いにもシア・カーンはスイギュウに行く手を遮られ、逆にモーグリはそのスイギュウに掴まり、助かることができた。だがその後、シオニーの丘にシア・カーンがやってきて、モーグリのことに関して口を割らないアキーラを無慈悲にも殺してしまった。そして、モーグリを自分のところに連れてこない限り、ここは自分の丘だと宣言した。一方、バギーラと離れ離れになってしまったモーグリは、そのスイギュウが行く高い崖道が雨水により崩れ落ち、彼らと一緒に川の中に落ちてしまった。
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