ゴム動力の自動可変ピッチプロペラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/12 03:06 UTC 版)
「模型航空機のプロペラ」の記事における「ゴム動力の自動可変ピッチプロペラ」の解説
動力ゴムのトルクは4倍以上変動する。ゴム動力はエンジンと違って回転数の上限は無く、トルクが上がればそれに応じてプロペラの回転数を上げるから、回転数は通常の2倍以上になり、機体はその推進速度に追随できず、プロペラの効率は低下する。 この過回転を抑えるために、プロペラの仕様を高トルクのときだけ変化させて、プロペラ回転の負荷を増やすことが計画された。これが自動可変ピッチプロペラである。 プロペラ駆動軸とプロペラを直接に結合せずに、間に適当な強さの捻じれバネを入れると、駆動トルクが強いときはこのばねが縮み、回転面で見たブレードの角度はトルクが弱いとき(捻じれバネが縮まないとき)よりも回転方向より遅れ、後方にずれる。この「ずれ」を利用してブレードのピッチ角を増やすならば、トルクの強いときにはピッチが大きくなる自動可変ピッチプロペラになる。ブレードを回転軸で取り付けてピッチ角を変更できるようにして、それにホーンをつければ、この操作ができる。 現在、世界選手権などのレベルの高い競技会に参加するゴム動力機の多くが、この方式の可変ピッチ機構を装備している。 室内機では、ブレードの自然の捻じれを利用して、自動可変ピッチの効果を得ていた。室内機のプロペラは組み立て式で、主桁によって駆動軸に取り付けられている。通常は主桁をブレードの翼断面の風圧中心位置(前縁から30%くらい)に取り付けるが、これをより後方につりつけた場合、強トルクによってブレードの揚力(推力)が増えた場合は、主桁より前方に力がかかり、ブレードは捻じられてピッチ角は増える。 このようなブレードそのものの弾性を利用した可変ピッチプロペラは、構造が簡単で軽量であるが、ブレードや桁材などの構造木材の弾性を利用しているので、正確な作動を管理することが難しい。そのため、室内機においても鋼鉄線のねじりバネを使う方法も利用されている。
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