コンピュータ・ファミリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 09:47 UTC 版)
「System/360」の記事における「コンピュータ・ファミリ」の解説
それ以前とは異なり、IBM社は小型から大型までのさまざまなモデルを含むコンピュータシリーズ全体を開発し、基本的に全てのマシンにおいて同じ命令セットが動作するようにした(一部特殊市場向けには例外あり)。これによって顧客は最初は小さなシステムで利用をはじめて、必要に応じて(業務ソフトウェアを変更することなく)上位のモデル機種の利用に移行することが可能となった。そのうえ多くのモデルでは顧客が以前に利用していたIBM社の機種の命令セット(例えばIBM 1401やIBM 1620)をマイクロコードでエミュレーションするオプションを提供していた。これにより以前の機種で使用していたプログラムもほぼ変更せずに新しいシステム360のマシン上で動作させることができた。 この移行への柔軟性により、導入や機種更新に際しての障壁が小さくなった。他のシステムベンダー(ゼネラル・エレクトリック以外)では自社の機種間でも相互に互換性がなく、それぞれの機種は顧客の用途に合わせて高度に設計されており、結果的に値段が高くなり導入しにくいことが多かった。System/360はこの市場のありかたを完全に変えてしまった。企業はマシンの利用をレンタルにより最初は安価な下位機種から始められるので安心であった(当時、IBMはコンピュータを顧客に販売せずにレンタルしていた。これは第二次世界大戦前のパンチカード会計システムの頃からの伝統であり、不況に強いビジネスモデルと言われている)。
※この「コンピュータ・ファミリ」の解説は、「System/360」の解説の一部です。
「コンピュータ・ファミリ」を含む「System/360」の記事については、「System/360」の概要を参照ください。
- コンピュータ・ファミリのページへのリンク