コロナ・ラティーナ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 08:33 UTC 版)
「聖イシュトヴァーンの王冠」の記事における「コロナ・ラティーナ」の解説
コロナ・ラティーナは、コロナ・グラエカのように単独で王冠としての機能を果たすものではない。円環部にとりつけて、ドーム上の山になるよう設計されている。形状は、5.2センチほどの幅を持った4枚の金製の板が、7.2センチ四方の中央パネルに溶接された形になる。 刻印された字体や聖人の絵から製造年代が推定できる。古い字体の大文字が並ぶ中で、トマス(Thomas)のTとパウルス(Paulus)の2個目のuは、東ローマ帝国の硬貨に使われているラテン文字と共通する特徴がある。この書体は、11世紀半ばには廃れた。これは教皇からイシュトヴァーン1世に贈られた聖骨箱や小型祭壇と同様の字体であり、証明することこそできないが、イシュトヴァーン1世が献上物と交換に王冠を受け取ったという可能性もある。しかしながら使徒の絵は、使われている技法で判断する限り1000年頃に制作されたものではない。 交差している帯は金のワイヤーで縁取られ、下方で綴じて装飾の体系を締めくくっている。中央のパネルには12個、全部で72個の真珠があしらわれており、キリストの使徒の数を暗示している(使徒行伝10章1節)。 中央交叉部のパネルには四角形のエナメルのパネルがあり、Christ Pantokratorが描かれている。4本のバンドには2つずつ、合計8つの絵がある。これには使徒のうち、「使徒行伝」1章13節に書かれた中の最初の8人(ペトロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ、ピリポとトマス、バルトロマイとマタイ)が描かれている。
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