コシについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/16 06:23 UTC 版)
最近は第2次ブーム以前に比べると、日本全国すべてのうどんの中で特別にコシが強いわけではない。コシという言葉はそれを使う人によって、硬さや弾力、または粘度であったりと、言葉の定義が必ずしも共有されていないが、味の評価は、この麺のコシの強さによってなされる部分が大きい。店やメニューの紹介ではだしや具の味、佇まいなどが取り上げられても、麺の評価がそれ以外の要素の評価よりも上位に位置する場合が多い。一方、かつては製麺所から麺を仕入れる店が多かったため、むしろだしが店ごとの個性として重視されていた。 うどんのコシについての学術的研究では、コシは「咀嚼中の総合的な食感」というテクスチャーをもって表現されている。調査によれば、弾性率と粘性率がそれぞれ 1 × 105 Pa、1.5 × 108 Pa·s 以下と軟らかく、かつ破断強度が大きいうどんが、コシがあって美味しいと評価されている。すなわち、噛み切るのに力が必要だが軟らかいのがコシのあるうどんであり、単純に硬いだけではコシがあるとは見なされない。 コシのもう一つの特徴は、それが「時間とともに急速に失われていく」ということである。これはうどんの破断強度が2時間で約2/3まで低下することからも分かる。コシ(ないし美味しさ)は、茹でて水で締めたその瞬間に最大となって分単位で失われる。これは時間が経つとともに水分分布が均一化して全体が糊化(アルファ化)し、噛み始めが硬くなる一方で噛み切るのに必要な力は減少し、コシがなくなっていくためである。このため、店で食す場合の当たり外れは店に入るタイミングが全て、とも評される。時間とともに出現するような類の美味さは一般に存在しないが、茹でおきを提供する店もある。
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