コクの歴史と研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/29 05:40 UTC 版)
「濃く」あるいは中国で穀物が熟したことを表す「酷」が語源であると考えられる。古くから使われてきた言葉であるが、科学的な見地から顧みられたのは比較的最近である。味の素社の研究チームは、1990年にアリインやS-propenyl-L-cysteine sulfoxide(PeCSO)などの有機硫黄化合物がうま味溶液に対して厚み、持続性、広がりを付与することを報告した。2002年には、東京・永田町の星陵会館で、「食べ物のおいしさと"こく"」をテーマにしたシンポジウムが開催された。 食品化学者の伏木亨は、2005年の著書で糖・脂肪・出汁のうま味の3要素からなる「コアのコク」、香りや風味、食感からなる「第2層のコク」、味わう側の修練を要する精神性のコクを「第3層のコク」として提唱した。 2012年の日本農芸化学会大会では、味の素社の研究チームがカルシウム感知受容体(CaSR)がコク味受容機構において重要な役割を果たしていることを発表し、この受容体に作用するトリペプチドが調味料メーカーにより開発されている。
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