ゲーテ記念碑
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旧小鳥小屋の壁跡に1961年に記念板が取り付けられた。これは城内で最も古い記念板の一つであった。この碑板にはマリアンネ・フォン・ヴィレマーがヨハン・ヴァルフガング・ゲーテと最後に逢った際の想いを詠った詩句の一部が刻まれている。1824年8月28日のゲーテ75歳の誕生日にこの城で書かれた9連の詩のうち、3連が碑文に採り上げられた。 このゲーテ記念碑の真向かいにイチョウの木がある。ゲーテはイチョウの葉をマリアンネ・フォン・ヴィレマーに友情の徴として贈った。その詩は後に西東詩集のズライカの書に収められた。 ゲーテは友情と共にイチョウの葉を贈り、その形について語ったと言われている。フランクフルトの友人で銀行家のヨハン・ヤーコプ・フォン・ヴィレマーの3番目の妻で、自分よりも20歳以上若いマリアンネ・フォン・ヴィレマーへの愛情表現として、彼はイチョウの葉を贈ったのである。ゲーテと親交のある芸術収集家で作家のズルピーツ・ボアスレは日記にゲーテの詩 "Gingo biloba" (『イチョウの葉』)の成立過程について記述している。 「気持ちの良い夕方。ゲーテはヴィレマーに友情の証としてこの街のイチョウの葉を一枚贈った。イチョウの葉は、1つだったものが2つの部分に分かれていったのか、2つのものが1つになったのか分からない。そんな思いをこの詩に込めたのである。」 それはこんな詩である。 イチョウの葉 (Gingo Biloba) 『東の国から私の庭に植え替えられたイチョウの木の葉はその秘められた意味で知恵あるものを喜ばす...』 ゲーテが2枚のイチョウの葉を貼り付けた『イチョウの葉』の原稿は、現在デュッセルドルフのゲーテ博物館で目にすることができる。1795年に植えられて1815年9月にゲーテがその葉をヴィレマーに贈ったイチョウの木は、1928年にはまだ「ゲーテが、素晴らしい詩を捧げたまさにその木」であったが、今はもうない。現在の木は1936年に植えられたものである。
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