ゲーデルの不完全性定理による方法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 08:27 UTC 版)
「算術の超準モデル」の記事における「ゲーデルの不完全性定理による方法」の解説
不完全性定理により、標準モデルでは真であるがペアノの公理系においては決定不能であるような文(ゲーデル文) G {\displaystyle G} が存在する。このとき、完全性定理より、ペアノの公理系 P A {\displaystyle \mathrm {PA} } に ¬ G {\displaystyle \lnot G} を加えた公理系にモデルが存在する。標準モデルで G {\displaystyle G} は真なので、このモデルは超準モデルでなければいけない。このように、 ¬ G {\displaystyle \lnot G} を満たすことは、そのモデルが超準的である為の十分条件となる。しかし、これは必要条件ではない。いかなるゲーデル文 G {\displaystyle G} に対しても、 G {\displaystyle G} が真であるようなあらゆる濃度のモデルが存在する。 算術が無矛盾であると仮定すれば、算術に ¬ G {\displaystyle \lnot G} を付け加えたものもまた無矛盾である。しかし、 ¬ G {\displaystyle \lnot G} は算術が矛盾していることを意味するのだから、結果得られた算術の体系は ω-無矛盾にはならない(なぜなら、 ¬ G {\displaystyle \lnot G} は偽であり、したがって ω-無矛盾性に反する)。
※この「ゲーデルの不完全性定理による方法」の解説は、「算術の超準モデル」の解説の一部です。
「ゲーデルの不完全性定理による方法」を含む「算術の超準モデル」の記事については、「算術の超準モデル」の概要を参照ください。
- ゲーデルの不完全性定理による方法のページへのリンク