ゲオルギーの叛乱
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/11 05:59 UTC 版)
「ゲオルギー・ポベドノーセツ (戦艦)」の記事における「ゲオルギーの叛乱」の解説
この日の10時30分、ヴィシュネヴェーツキイの第1艦隊は艦隊司令官代理A・Kh・クリーゲル海軍中将麾下の第2艦隊と合流した。連合艦隊は艦隊内での蜂起の勃発を恐れて慎重に航行したため、オデッサへ向かうのにほぼ半日を費やした。12時5分、ポチョムキンは碇を上げて艦隊に向かって10 knの速度で移動を開始した。 クリーゲルは接近してきたポチョムキンに対して投錨を命じたが、ポチョムキンは停まることをせず艦隊へ投錨命令を返した。クリーゲルは戦闘警報を鳴らすよう命じたが、このとき、ゲオルギー・ポベドノーセツでは水兵たちがポチョムキンへの攻撃拒否を叫んだ。 12時55分、ポチョムキンがシノープとゲオルギー・ポベドノーセツのあいだを横切ったとき、事件は起こった。ポチョムキンは、両艦に対して「ポチョムキンは砲手水兵に砲撃しないよう要請する」と信号法を用いて伝えた。すると、シノープとゲオルギーの上部甲板には乗員が出てきて、口々に「万歳!」の歓声を上げた。そして、ゲオルギー艦上では蜂起が始まったのである。一方、シノープでは革命派のほとんどが陸に残されてきたため、賛同者があまりに少なかった。そして、ポチョムキンへの合流に賛成する派閥と反対派閥とが生じ、後者が勝った。 ゲオルギーは隊列を離れ、ゆっくりとポチョムキンの方へ向かっていった。そして、数分後には完全に機関を停止した。「ゲオルギー、なぜ戦闘配置を離れたか?」クリーゲルが尋ねた。「ゲオルギー乗員は士官を岸へ運び、ポチョムキンへ合流する。」ゲオルギー艦長が返答した。「全力で艦隊に続け!」提督は命じた。「不可能なり、不可能なり!」ゲオルギーから信号が返された。 クリーゲルはドヴェナッツァチ・アポーストロフにポチョムキンへの攻撃を命じたが、衝角による突入も自爆も、乗員のサボタージュによって失敗に終わった。一方、ポチョムキンは他艦へ革命への合流を呼びかける信号を送り続けた。 クリーゲルは、ポチョムキンとのこれ以上の接触は各艦での蜂起を誘発しかねないということを理解した。そして、艦隊に公海への出航を命じた。クリーゲルは、最後の信号を送った。「ポチョムキン、全権委員を待て」、「ゲオルギー、セヴァストーポリへ戻れ」。両艦は答えなかった。艦隊は湾から抜け出たが、ポチョムキンはそのあとを追ってきた。そのため、クリーゲルは艦隊に全速前進を命じなければならなかった。
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