Graph500
別名:グラフ500,グラフ500ランキング
Graph500とは、スーパーコンピュータのグラフ処理における速度を計測するベンチマークおよびその結果のランキングである。2010年に開始された。
Graph500ではグラフ理論におけるグラフのエッジ(枝)を幅優先探索により辿る速度が指標として用いられる。単位はTEPS(Traversed Edges Per Second)である。TEPSの値が高ければ高いほど、より高速にグラフ処理を行うことが可能であることになる。ビッグデータを用いたデータマイニングや、SNSのソーシャルグラフの分析、Web検索、ITS(高度道路交通システム)などで重視される大規模データ処理の性能を計測する指標として注目されている。
スーパーコンピュータの性能を計測・比較するベンチマークとしては、1990年代前半から実施されている「スーパーコンピュータTOP500」ランキングが知られている。これはコンピュータシステムの浮動小数点演算の速度を指標としている。浮動小数点演算の速度は、物理現象のシミュレーションなどにおいて重視されるが、必ずしもあらゆるデータの処理速度を左右する指標となるわけではない。近年、データ集約(データインテンシブ)分野の重要性が高まるにつれて、指標が一面的であるとの声が高まりつつあった。
2010年11月に初めて公表されたGraph500ランキングでは、IBMのBlueGeneをベースとする「Intrepid」システムが第1位となった。処理速度は7.0867ギガTEPS(GTEPS)である。2013年6月のランキングでは、同じくBlueGeneベースの「Sequoia」(セコイア)システムが第1位となり、京速コンピュータ「京」が第4位にランクインしている。
2014年6月に発表されたGraph500ランキングでは京速コンピュータ「京」がセコイアを抜いて第1位の座を獲得している。
参照リンク
Graph500
スーパーコンピュータ「京」がGraph500で世界第1位を獲得 - (理化学研究所 2014年6月24日)
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