クモハ51形を交直流試験車493系に改造
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「国鉄51系電車」の記事における「クモハ51形を交直流試験車493系に改造」の解説
1961年に盛岡工場においてクモハ51085, 51086の2両をそれぞれ交直流試験車のクモヤ492-1(電源車),クモヤ493-1(電動車)に改造した。台車は空気ばねの試作台車(前者が日立製DT91、後者が近車製DT92)を履き、車体についてはクモハ492-1のパンタグラフの周辺部分は低屋根化され、高圧機器が設けられ、ヘッドライトは半埋め込み式となったが、その他の部分は種車のままで、内装も低屋根部分にファンデリアを設けた以外はそのままだった。モーター、制御装置は直流、交流50,60Hzの3電気区間すべてに入線できるよう、交流整流子電動機(前者がMT959、後者がMT960)を永久直列にて抵抗制御で使用し、直流区間では強め界磁、交流区間ではタップ制御を加えて駆動するようになっていた。界磁巻線は2つ用意されており、直流区間ではこれを直列接続することで200%強め界磁として起動、速度が上昇したところで1つの界磁巻線を切り離し、100%界磁とした。また、交流区間で抵抗制御と併用されるタップ制御は2段のみである。これらは電動機の直並列制御に代わるものとして採用されていた。さらに、発電制動時は界磁巻線の1つを他励とすることで、発電制動の安定性を向上させていた。動力伝達方式は、可撓吊り掛け式。その後1964年3月架線試験車に改造され、両車とも完全に低屋根化されてクモヤ493-1に架線観測用のドーム型の観測室、テレビカメラや照明装置が設けられたほか、車体もドアや窓が埋められるなど、外観は大きく変貌した。
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