クウェート着陸の背景
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 03:57 UTC 版)
「ブリティッシュエアウェイズ149便乗員拉致事件」の記事における「クウェート着陸の背景」の解説
上記のようにBA149便にはSASの工作員が6名搭乗しており、彼らをクウェートに潜入させるために、侵攻が開始されていたにも拘らずあえてクウェート国際空港への着陸を強行したことが工作員自らの暴露や乗客の証言により戦後明らかになったが、イギリス政府はこれを否定している。 なお、これらの工作員はクウェート到着後に現地のアジトに急行したために人質となることは免れ、その後クウェート国内で諜報活動を行い、一部のチームはその後もクウェート市内で活動を続けた。また、一部のチームはクウェート市を脱出した後にアメリカ軍のヘリコプターによって救出されていたことを、工作員とアメリカ軍のヘリコプターの操縦員が明らかにしている。 その後、BA149便がクウェートに着陸した経緯についてイギリス議会で問題とされたものの、マーガレット・サッチャー首相は「着陸後1時間経ってから侵攻が行われた」と証言をした。しかしこの事は、サッチャーの回顧録内で嘘の証言であったことが明らかにされている。 さらに、アメリカ人乗客がブリティッシュ・エアウェイズを訴えようとした際には、同社は弁護士に対して「乗客名簿は存在しない」と返答した上、その後返答を翻し「国家機密なので公開できない」と返答した。その後このアメリカ人乗客は、ブリティッシュ・エアウェイズとの示談に応じて訴えを取り下げている。また、人質となったフランス人乗客がフランス国内でブリティッシュ・エアウェイズを訴えた裁判では、149便が工作員を潜入させるためにクウェートに着陸したことが事実であると認められ、1999年7月にブリティッシュ・エアウェイズに対して慰謝料の支払いを命じている。
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