クイックシルバー作戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/03 00:29 UTC 版)
「フォーティテュード作戦」の記事における「クイックシルバー作戦」の解説
フォーティテュード・サウスの最も重要な要素はクイックシルバー作戦だった。 クイックシルバー作戦は、バーナード・モントゴメリーの下の英第二十一軍集団(本物のノルマンディー侵攻戦力)と米第1軍集団(First United States Army Group、通称FUSAG。パットン中将指揮下の実在しない軍集団)から成る2つの軍集団が、パ・ド・カレーへの海峡横断のためにイギリス南西部に配置されたとドイツ軍に思わせる事を狙っていた。 偽の侵略計画を記述した文書をドイツ軍に与えるわけではなく、その代わりに紛らわしい戦闘序列を作成する事が許可された。イギリスからヨーロッパ本土への大規模な侵攻を開始するためには、軍の作戦立案者は、積み込み地点から一番近い上陸するであろう地域を囲むように部隊を設定する以外にほとんど選択肢が無かった。実際、FUSAGの司令部が英国南東部にあると言う情報を得たドイツの諜報機関は侵略兵力の重心がカレーであると誤認してしまった。この欺瞞により現実味を持たせるために周辺の地域には多くの偽の建物が建設され、ダミーの自動車と上陸用舟艇が積み込み地点になりそうな場所の周辺に置かれ、その兵力の大きさに見合った莫大な量の偽の無線交信が交わされた。 このような規模の欺瞞は、Ops(B)を通じたMI5、MI6、SHAEF、および軍隊を含む多くの組織からの協力を必要とした。種々の欺瞞機関から提出された情報は、ジョン・ベヴァン中佐によって組織化されて、彼の指揮の下にロンドン・コントローリング・セクションから各組織に配信された。
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