キ102乙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 10:01 UTC 版)
「キ102 (航空機)」の記事における「キ102乙」の解説
襲撃機型(キ102乙)は1944年3月に試作1号機が完成し、試作機3機増加試作機20機が製作され、1944年7月には基本審査が終了し、川崎の明石工場で量産が開始された。本機は基本的にはキ96と同一の機体を複座化したものだったが、エンジンナセルなどがスリムに洗練されたものになっていた。 武装は強力で、機首に57mm機関砲(ホ401)を装備した他、20mm機関砲(ホ5・二式二十粍固定機関砲)2門と12.7mm機関砲(ホ103・一式十二・七粍固定機関砲)1門を装備し、爆弾は500kgまで搭載できた。基本性能は概ね良好だったが、部隊配備後、離陸滑走時に方向安定不良になることが指摘された。これについては、尾輪柱を100mm延長することで応急的に対処した。本格的な対処としては胴体を延長することが計画されていたが、終戦まで実施されなかった。 本機は制式名称こそ付けられなかったが相当数が襲撃機として第一線の飛行戦隊などの実戦部隊に配備された。だがこれらの部隊では上級司令部の命令により本土決戦に備え機体を温存していたため、一部が実戦に参加した以外は使用されなかった。これらの部隊の中では、本機を四式襲撃機と呼称していた部隊もあった。[要出典]また、1945年(昭和20年)6月頃からは、一向に実用化の目処がたたない甲型を補う形で、重武装を生かした防空戦闘機として使用された。戦闘機として使用された機体は甲型も含めて、通称五式複座戦闘機と呼称されることもあり[要出典]、機体を漆黒に塗装し夜間戦闘機として用いられた機体も存在した。終戦までに乙型は試作機、増加試作機を除き215機生産されたが、この中にはキ102甲とキ108に改造された機体も含まれている。 第6航空軍参謀を務めた倉澤清忠のメモには、本機が「特攻機として使用された飛行機」としてあげられているとの情報がある。
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