キリスト教の聖書におけるクレニオ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 03:44 UTC 版)
「クィリニウス」の記事における「キリスト教の聖書におけるクレニオ」の解説
クィリニウスは、ルカの福音書のイエス・キリスト誕生の物語の最初に「クレニオ(クィリニウス)がシリアの総督であった時の最初の住民登録であった。」(新改訳聖書)言及されている。 ヨセフォスは住民登録を記しているが、それは使徒行伝5章37節に記されている、クィリニウスによる人口調査は紀元6年のことである。ユダヤがヘロデ・アルケラオス(英語版)の廃位によってローマの属州となったことをきっかけにクィリニウスが実施したことである。。 しかし、イエスの誕生は紀元4年より前であるといわれるので、ルカ2章2節の「全世界の住民登録」は、クィリニウスが実施した紀元6年の人口調査とは異なる。つまり、ルカに記されている住民登録はヨセフォスが記していない別の登録ということになる。 また、アウグストゥスの『業績録』によれば、三度国勢調査(前28年、前8年、紀元後14年)を行ったと言われ。キリストの誕生前後にはローマによる国勢調査は行われていない。 テルトリアヌスが、シリヤ総督であったサトゥルニウス(在位:前9年-6年)人口調査を行ったと記録している。また、住民登録は14年ごとに行われていたことが分かっている。また、ギリシア語「最初の」とは「以前の」との訳せるので、「総督クレニオが実施した以前の総督サトゥルニヌスによる」住民登録であると解釈することができる。 また、ラピス・ティブルティヌスという碑文に、シリヤの総督に2度目についたローマ人の業績が報告されている。それが、クィリニウスであった可能性もある。 M・W・ラムゼーは、前10年クィリニウスがシリヤの軍事担当の総督になり、同時にサトゥルニウスが行政を担当したという仮説を立てた。その時に、クィリニウスが軍事担当の総督として住民登録を実施したという仮説である。
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