キビ属の種
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 17:34 UTC 版)
キビ Panicum miliaceum 栽培種。野生には生えていない。詳細は、キビを参照。 日本には以下の種が自生している。 ヌカキビ P. bisulcatum Thunb. 水田跡や湿った草原などに見かける一年草。穂は円錐花序で、長さも幅も15-30cm位、主軸はほぼ直立するが、側枝は真横か、少し斜め下に出る。枝の先端の方に小穂がまばらにつくが、先端に行くにつれて枝は細くなり、小穂はたいてい下向きに垂れる。この外見だけでほぼ見分けがつく。 ハイキビ P. repens L. 海岸によく出現し、砂地にまばらな群落を作る。匍匐茎は地下を這いまわり、所々で数珠状のコブを作る。あちこちから茎を立て葉をつける。茎と葉は無毛で、全体に粉を吹いたような淡緑色。葉は細くて偏平で、斜め上に立ち上がる。花序は茎の先端から出て、多数の枝はみな斜め上を向く。それぞれの枝にはまばらに小穂をつける。四国と九州の南部から琉球列島には普通に産し、全世界の暖帯から熱帯にかけて分布がある。 このほかに、いくつかの帰化種がある。代表的なものを挙げる。 オオクサキビ P. dichotomiflorum Michx ややヌカキビに似るが、穂の枝はすべて斜め上向きに真っすぐに出て垂れ下がらないこと、茎の基部は斜めに出ても這い回らないことで区別できる。北アメリカ原産で、現在では世界の暖帯から熱帯にかけて帰化している。日本では1972年に千葉県で報告され、現在では各地に普通で、時にはやっかいな雑草として嫌われている。 ハナクサキビ P. capillare L. 直立する草で、株立ちになる。高さは20-60cm位、全体に毛が多い。非常に大きな円錐花序をつける。花序の枝は斜め上を向き、非常に多数の小穂がつく。小穂の先端がとがるのも特徴である。北アメリカ原産で、日本では1955年に群馬県で見つかった後、あちこちで点々と見つかる程度。北アメリカでは砂質の乾燥地に生え、乾季になると植物体全体が塊状となり、風で飛んで種子分散をするという、いわゆるtumble weedであるとのこと。
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