カルナとの友情
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 19:37 UTC 版)
ある日、王子たちの武術師範であるドローナの指導のもとで、クルの王子たちが各々の習得した武術を披露するための御前試合が行われた。パーンダヴァの三男アルジュナは見事な弓術を披露し喝采を浴びた。 しかし、そこにカルナが現れ「俺はアルジュナよりも見事な業をなすだろう」と語り、その場で素晴らしい業を披露した。彼は御者の息子の身分(実はパーンダヴァ兄弟の長兄)でありながらも、卓越した弓術を身につけていた。そして彼は、雌雄を決するためにアルジュナに決闘を申し込んだ。しかし、当時の決闘の規則では、王子であるアルジュナと戦う者もまた王族の身分でなければならなかったため、御者の身分であるとされていたカルナはアルジュナに挑戦する資格がなかった。 ところで、ドゥルヨーダナは、敵対するパーンダヴァ兄弟の強力な弓取りアルジュナという脅威に対し、彼に匹敵する弓取りを見つけたとして、カルナの登場を殊の外喜んでいた。そこで、ドゥルヨーダナは両者が決闘を行えるようにと、カルナをアンガ国の王位につけた。また、その場にカルナの養父が訪れたことで、カルナが御者の身分であることが公に知れ渡ったので、カルナはビーマによって「卑しい御者の息子」と万座で辱められた。そういったビーマに猛り立ち、ドゥルヨーダナは「英雄や河川の源流(出自)を問う意味はない。王族であることの証明に最も必要なものは力である」として、カルナを擁護した。その過程で、カルナが返礼に何を望むかドゥルヨーダナに問うたところ、彼はカルナとの永遠の友情を望むと答えた。 かくして、パーンダヴァに辱められ、ドゥルヨーダナに大恩を被ったカルナは、カウラヴァきっての勇士としてドゥルヨーダナの腹心となった。カルナは、やがて自らの素性(実は王族の身分であり、パーンダヴァの長兄であること)を知ることとなったが、その後でさえ、約束通りにドゥルヨーダナに最期まで忠実に仕えた。 クルクシェートラ戦争第17日目にカルナがアルジュナに殺された際、ドゥルヨーダナはかつてない程に悲嘆に暮れた。
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