カミングアウトに対して
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 09:42 UTC 版)
「小原ブラス」の記事における「カミングアウトに対して」の解説
LGBTQなどの性的少数者について、一般に「誰でもカミングアウト(自身の性を周囲へ告白すること)ができる寛容な世界になるといいね」とする意見がみられるが、2019年11月にブラスはこれに対して否定的であるとして、次のような持論を述べた。 いちいちカミングアウトしたり、嘘をつかないで済むようになるのが、僕の思う”寛容な世界“だ。 確かに「僕はゲイです」と自己紹介をするほうが、多数派の人(異性愛者など)にとっては分かりやすくて親切かもしれない。しかし、そんなことを説明しなくても「好きなタイプは?」と聞かれた時に「短髪の男性です」と答え、それが自然に受け入れられるような世界になれば、どれほど楽だろうか。 「男性らしい見た目や仕草をしている人は、普通は女性を好きになるものだ」という認識は、間違っているとは思わない。しかし、「女性を好きになることが当たり前だ」という認識は違う。そうではない可能性もある。それは少数派かもしれないが、決して「おかしなこと」ではない。 そのことを誰もが“当たり前に”認識できるようになれば、自然と「どんな女の子がタイプ?」という質問はしないだろうし、わざわざカミングアウトをしていなくても嘘をつかずにすむだろう。 このような社会を求めるのは、多数派であるストレートの人達にとっては紛らわしいし、面倒くさく、負担だということも分かる。「そこは少数派が我慢してくれよ」と言いたくなる気持ちも分かる。でも、いずれは「少数派」と「多数派」に分けて考えることは難しくなるはずだ。今は「LGBTQ」と、実はそれぞれ全く違う性質の少数派の性が一括りにされており、そんな中で「誰がL(レズビアン)で、誰がG(ゲイ)で」と、性を型にはめて振り分けようとすることが多い。しかし、性はそのように分類できるほど簡単ではなく、しかも流動的だ。あらゆる性が世界に存在することが当たり前になれば、「誰がどんな性か」をカテゴライズすることすら面倒になる。 だからこそ、僕は「いちいちカミングアウトをしない」というワガママにこだわっている。過去に出演したTV番組『アウト×デラックス』『5時に夢中!』でも、「僕はゲイです」とは言わなかった。 どちらの番組でも、「どんな人がタイプ?」と質問された時には、有名な男性俳優の名前をあげた。すると、少し沈黙の間があり、「え、そっち系の方ということですか?」「はい。」という会話になった。今の時代には、このやり方は早すぎたのかもしれない。それは分かりにくいかもしれないが、僕の小さな抵抗だった。
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