カニングフォークの法的地位
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/22 03:56 UTC 版)
「カニングフォーク」の記事における「カニングフォークの法的地位」の解説
カニングフォークが提供するまじないと呪術の業務は、厳密に言えばカトリックの教義に反するものであった。教会法に拠ればこのようなまじないは罰せらるべきである。とはいえほとんどのカニングフォークは告発されなかった。それどころか中世期においては村の司祭が民間呪術の使い手となることもあったと思われる。宗教改革後も実質的に状況は変わらなかった。清教徒の牧師はしばしばカニングフォークを糾弾したが、それでも彼らは依然として重大な起訴を免れた。テューダー朝から続いた大魔女迫害時代においても同様であった。イングランドの魔女裁判においてカニングフォークは他の人よりも告発されそうではあったが、告発された人々の中でカニングフォークが占めた割合は依然として非常に小さく、彼らの大半は邪魔されずに仕事をしていた。オーウェン・デイヴィーズの研究の示唆するところ、これは大抵の人々は有益な呪術と悪意ある妖術の間に一線を画していたからである。イングランドではかつて一般人には魔女を告発する責任があるというコモン・ローがあったが、彼らはカニングフォークを告発することには関心がなかった。カニングフォークが妖術に対する防衛最前線となった時はなおさらであった。それどころか人々は妖術の問題についてカニングフォークに相談したため、魔女に対する告発にカニングフォークが加担することも多かった。 カニングフォークが裁判記録に登場するのは不運な客の告発による。彼らの呪術が誰かの病を治すのに失敗した場合、または何かペテンがありそうだと思われた場合、客はしばしば訴訟を起こした。魔女の死刑が廃された後でも、呪力があると主張することは依然として不法行為であった。呪術によって金を儲けた場合は特に違法とされた。そのためカニングフォークにとって起訴されることは相変わらず職業上の危機を意味した。
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