カニングフォークと宗教
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/22 03:56 UTC 版)
「カニングフォーク」の記事における「カニングフォークと宗教」の解説
記録に残っているカニングフォークのほとんどは曲がりなりにもキリスト教徒であった。カニングフォークには司祭もいれば、献身的に教会に通う人もいた。中にはめったに教会に行かない人もいたが、彼らが古代の神々を礼拝するという意味での異教徒であったという証拠はない。一般にカニングフォークは呪術がいかに作用するかということは気にしなかった。彼らとそのコミュニティにとって重要なことは、呪術が効いたと人々が思うことである。カニングフォークが使ったまじないの技には古代を起源とするものもあったであろうが、かつて古き呪文とセットになっていた本来の異教信仰は失われて久しく、彼らが施術中にシャーマン的トランスを活用することはなかった。実際、彼らが使ったまじないは中世キリスト教的な民間呪術であり、しばしば神やイエス、マリア、聖人の名を唱えた。このため宗教改革後の時代には、カニングフォークはしばしばカトリック教徒として告発された。というのも彼らが頼ったものといえば、旧き信仰として当時排斥されたローマ・カトリックと相場が決まっていた。ステュアート朝までは、自分の力は妖精から教わったのだと主張する者もいたが、この考えは後に廃れた。カニングフォークは18世紀中葉までは相変わらず忙しかった。その頃すでに英国では、宗教的寛容によってカトリック教徒は危険をともなわずに公然と信仰告白できるようになったし、気安く無神論を公言することも可能になった。それどころか古典古代の神々を崇拝していると主張する奇特な人も出てきた。もはや異教信仰を隠すべき理由はほとんどなかった。このことからカニングフォークが何らの異教信仰も保持していなかったらしいことが判る。
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