カイロ宣言と国連第2758号決議文問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 17:59 UTC 版)
「台湾問題」の記事における「カイロ宣言と国連第2758号決議文問題」の解説
2004年に中国の温家宝総理が「中国が台湾の主権を有していることは『カイロ宣言』できわめて明確に示されている」と発言した。 これに対して陳水扁は、2008年に英国Financial Timesのインタビューに対して次のように答えた。 「1943年に蔣介石、チャーチル、ルーズベルトの3ヶ国の首脳が中国は台湾の主権を確かに有していると決定したと、多くの人々が信じて」きたが、1943年12月1日の『カイロ宣言』は日付も署名もなく、事後による追認もなく、授権もないとし、「これはそもそもコミュニケ(公的な共同声明)ではなく、プレスリリース、声明書に過ぎない」と指摘したうえで、「1955年2月1日、チャーチル首相は国会質問で、『カイロ宣言』に基づいて中国が台湾に対する主権を有するということには同意できないと答えたように、当時3人にはそもそもコンセンサスなどなく、そのため署名もなかった」と述べ、中国がカイロ宣言を根拠に領土権原を主張するのは成立しないとした。 また、「台湾の国家主権は台湾国民に属している」と強調し、さらに、多くの人が「『カイロ宣言』にはそもそも中国が台湾の主権を有することが書かれたわけではないというこの事実を知らないのは、過去の教育が杜撰であり、歴史が改竄されていたからだ。だからこそ、中国は自己に有利なためこれを引用し、国民党は台湾を統治する際の法的統一の基礎としたのだ」とした。 また、陳水扁は1971年の国際連合総会2758号決議文にはそもそも『台湾』が触れられておらず、『中国』代表権問題のみが解決しただけであり、中華人民共和国が台湾2300万の人々を代表してよいとは言っていないのであり、パン・ギムン国連事務総長や中国はこれを拡大解釈しているとして批判した。
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