オリーブ油
果実の含油量は40~60%で、採油は通常まず圧搾を行う。圧搾で得られた油は黄緑色を帯びた特有の香りを有する油で、精製などの操作を施さずに高品質のバージンオイルとして、そのまま製品にされる。また、圧搾粕はさらに溶剤抽出される。その油はpomace oilとよばれ、スクアレンやトリテルペノイド酸などを含む不鹸化物の多い低品質の油である。このため、溶剤抽出された油は一般的な精製を施し精製オリーブ油となる。 沃素価75~94、鹸化価184~196、比重d0.908~0.914、屈折率n1.466~1.469、融点0~6℃の特性値を有し、不鹸化物1.5%以下である。脂肪酸組成は、パルミチン酸9~18%、パルミトオレイン酸0~3%、ステアリン酸2~4%、オレイン酸60~80%、リノール酸4~16%である。大部分がオレイン酸のため安定し、不乾性油である。主に食用、化粧品用、薬用として用いられているほか、溶剤抽出された低品質の油は石鹸の原料やオレイン酸の原料として使用される。わが国で消費されるオリーブ油のほとんどは地中海沿岸諸国からの輸入であるが、近年地中海料理のブームとともにオレイン酸の有用性に関心が持たれ、食品としての輸入・消費量が急激に伸びている。 |
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