オオキヌハダトマヤタケとは? わかりやすく解説

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オオキヌハダトマヤタケ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/16 21:21 UTC 版)

オオキヌハダトマヤタケ
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
亜門 : ハラタケ亜門 Agaricomycotina
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
亜綱 : ハラタケ亜綱 Agaricomycetidae
: ハラタケ目 Agaricales
: アセタケ科 Inocybaceae
: スードウスペルマ属 Pseudosperma
: オオキヌハダトマヤタケ Pseudosperma rimosum
学名
Pseudosperma rimosum (Bull.) Matheny & Esteve-Rav. (2019)[1]
シノニム

その他多数

オオキヌハダトマヤタケ(大絹肌苫屋茸[3]学名: Pseudosperma rimosum)とは、ハラタケ目アセタケ科[注 1]スードウスペルマ属[注 2]に属する小型から中型のキノコ菌類)である。毒キノコの一つ。

名の由来

和名「オオキヌハダトマヤタケ」の由来は、傘や柄の表面が絹肌のようで、傘の形状が苫屋(とまや)に似ているキノコの意である[6]。「トマヤタケ」のトマヤ(苫屋)とは、苫(スゲカヤ)で葺いた家のことをさし、その特徴的な外観、色が苫葺の家屋に似ていることから命名された[3]。地方により、カヤタケの地方名でよばれている[4]

分布・生態

汎世界的に分布する[3]。外生菌根菌(共生性)[3][6]。春から秋にかけて、さまざまな種の広葉樹林や針葉樹林の地上[4][5]、特にミズナラなどブナ科の樹下に散生から単生する[3][6]

形態

子実体からなる。傘は径2 - 7センチメートル (cm) で、はじめのうちは円錐形で、のちに中高の扁平に開いて縁部が反り返る[5][3]。傘表面は黄土色から褐色で、繊維状、傘が開くにつれ周辺部は切れ込みが入りしばしば裂ける[4][5][3]。傘裏のヒダはやや密で、柄に対して上生し、淡黄褐色で周辺部は白色である[5][3]は白色で繊維質である[3]。柄は中実で、柄の表面は白色から褐色を帯び繊維状、上下同大で基部が膨らむ[5][3]

毒性

本種と近縁のアセタケ属には有毒成分のムスカリンを含む種が数種類[注 3]が知られているが、本種はその中でも含有量が突出して多く、強い毒性をもつ。ムスカリンの含有量はベニテングタケのおよそ100倍ともいわれ、一部では猛毒キノコに分類されることもある[要出典]アセタケの仲間には中毒を起こすものが多く、食用的な価値はほとんどない[4]

中毒症状の強さと飲酒量に関連性があるとする報告がある[7]

中毒症状

多量の発汗流涙流涎縮瞳徐脈嘔吐下痢視覚障害呼吸困難などのムスカリン由来の中毒症状を起こし[4][5]、死に至ることもある[4]

脚注

注釈

  1. ^ 古い図鑑では、かつてフウセンタケ科に分類されていた[4][5]
  2. ^ 古い図鑑では、かつてアセタケ属に属すると記載されていた[4]
  3. ^ シロトマヤタケ(Inocybe geophylla)、クロトマヤタケ(Inocybe lacera)、キヌハダトマヤタケ(Inosperma cookei)など。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n Pseudosperma rimosum”. MYCOBANK Database. 国際菌学協会 (IMA) とウェスターダイク菌類生物多様性研究所. 2025年2月17日閲覧。
  2. ^ サミュエル・フレデリック・グレイ (1766 – 1828) or ジョン・エドワード・グレイ (1800-1875)
  3. ^ a b c d e f g h i j 吹春俊光『おいしいきのこ 毒きのこ』大作晃一(写真)、主婦の友社、2010年9月30日、136頁。ISBN 978-4-07-273560-2 
  4. ^ a b c d e f g h 大作晃一『山菜&きのこ採り入門 : 見分け方とおいしく食べるコツを解説』山と渓谷社〈Outdoor Books 5〉、2005年9月20日、94頁。 ISBN 4-635-00755-3 
  5. ^ a b c d e f g 長沢栄史 監修、学習研究社 編『日本の毒きのこ』(増補改訂版)学習研究社、2009年、132、269頁。 ISBN 978-4-05-404263-6 
  6. ^ a b c 大作晃一『きのこの呼び名事典』世界文化社、2015年9月10日、58頁。 ISBN 978-4-418-15413-5 
  7. ^ 藤山洋一、内藤真礼生、中村信 ほか、飲酒量に応じて重篤化したキノコ中毒の症例 日本内科学会雑誌 2002年 91巻 7号 p.2189-2191, doi:10.2169/naika.91.2189

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