エミリー・ローザによる検証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/17 04:35 UTC 版)
「セラピューティック・タッチ」の記事における「エミリー・ローザによる検証」の解説
1996年に9歳の少女エミリー・ローザ(英語版)が科学博覧会(英語版)(アメリカの自由研究コンテスト)の課題として、21人のTT実施者を対象に2年かけて検証を行っている。TT実施者の前についたてを立てて視界を遮り、両手を衝立の向こうに出させ、エミリーはTT実施者のどちらかの手の上に自分の手をかざした。そして左右どちらの手の上にエミリーが手をかざしているかを当てさせた。正解率は、280回中123回(正答率44%)に過ぎず、「ヒューマン・エネルギー・フィールドを感知することができる」とするセラピューティック・タッチの主張に対し、根本的な疑問が投げかけられた。この研究は医師の協力で「A close look at therapeutic touch」という論文にまとめられ、1998年に『ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(米医師会誌、略称:JAMA)』(279巻13号1005-10頁)に掲載された。この時彼女は11歳であり、最年少の論文掲載として話題になった。エミリー・ローザは懐疑派協会(英語版)から"Skeptic of the Year"ジェームズ・ランディ賞を、ジェームズ・ランディ教育財団(英語版)から賞金を贈られている。この論文の発表により、「手かざし療法」という言葉がアメリカで一般に広まり、多くの病院で、看護師が患者の体に触れてもいないのに、セラピューティック・タッチを行うことで時として非常に高額の治療費を請求しているという事実が明るみに出て、社会の不評を買った。以降、セラピューティック・タッチを看護師の仕事として教育していた病院でも、看護の仕事から切り離し、希望時のみ宗教者を紹介するといった変化も起こった。
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