エキスパートシステムが解決する問題のタイプ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/30 05:03 UTC 版)
「エキスパートシステム」の記事における「エキスパートシステムが解決する問題のタイプ」の解説
一般に、エキスパートシステムが解決する問題は、人間のエキスパート(専門家)が行うことをなぞって解決できるものである。それは、たとえば医学や他の専門家などである。そのような問題領域(一般に非常に狭い領域、たとえば「十代の皮膚病の診断」など)の実際の専門家から問題領域に関する経験則を聞き出す。その手法はシステム開発者が直接聞き取り調査する場合もあるし、評価システムを専門家に使ってもらい、ルールを専門家自身に追加してもらう場合もある。一般にエキスパートシステムは、従来のアルゴリズムで符号化することができるような唯一の「正しい」解決策がない問題のために使われる。データをソートするとか、グラフの最短経路を見つけるといった問題にはもっと簡単な解法があるので、エキスパートシステムを使ってそれらを解決しようとする人はいないだろう。 単純なシステムはデータを評価するのに単純な二値論理を使うが、より洗練されたシステムはファジィ論理のような方法を使って、実世界の不確定要素をある程度考慮した評価を実行する場合がある。そのような精巧化は発展しづらく、まだ不完全である。 エキスパートシステムは、組み合わせが膨大となるような領域でうまく機能する。 高度な対話・会話型アプリケーション。自動音声応答装置、音声サーバ、人工無脳 障害診断、医療診断 複雑系、プロセス制御、対話型マニュアルなどでの意思決定支援 教育ソフトウェア 機械やシステムの論理シミュレーション ナレッジマネジメント 常に変化し続けるソフトウェア エキスパートシステムと伝統的な問題解決プログラムの間の重大な違いは、問題に関する専門知識がコード化される方法である。伝統的なアプリケーションの中では、問題に関する専門知識はプログラムとデータ構造の両方で符号化される。エキスパートシステム的手法では、関連した専門知識は全てデータ構造だけに符号化され、プログラムの中にはない。いくつかの利点はこのような構成手法によるものである。
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