インフレとその原因
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 02:33 UTC 版)
「大戦景気 (日本)」の記事における「インフレとその原因」の解説
1913年から1920年までの7年間の実質経済成長率は5パーセント強であった。全体としてみれば、第二次世界大戦後の高度成長期の平均10パーセントの経済成長に比較すれば遠くおよばない。しかし、この時のブーム感が強かったのは、インフレーションのために企業の名目上の利潤が急激に膨張したからであった。大戦景気のあいだ、卸売物価、消費者物価ともに平均2倍強に上昇した。1920年の卸売物価は1913年の約2.6倍になっている。 夕陽丘高等女学校(現大阪府立夕陽丘高等学校)がおこなった、生徒の家庭の1914年と1916年の家計簿を利用した物価調べの結果が、1916年2月8日の『大阪毎日新聞』夕刊に載っている。それによれば、石炭酸が2年間で25銭-30銭から8円に、昇汞(水銀化合物)が1円20銭から6円50銭に値上がりしている。また、毛織物は3割ないし5割増、紙類は6割ないし7割増、ちり紙は4倍増、ソーダが6倍以上、鍋や釜は1.5倍、アルミニウム類2倍、包丁が5割増などとなっており、鉄製バケツは30銭だったものが57銭に値上がりしている。 物価高騰の原因は世界的な戦時インフレの影響もあったが、日本の重化学工業の生産力水準がいまだ低いレベルにあったため、資本財が不足して需要超過の状態がつづいたことにも原因があった。
※この「インフレとその原因」の解説は、「大戦景気 (日本)」の解説の一部です。
「インフレとその原因」を含む「大戦景気 (日本)」の記事については、「大戦景気 (日本)」の概要を参照ください。
- インフレとその原因のページへのリンク