アヴェヴェルムコルプスとは? わかりやすく解説

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アベ‐ベルム‐コルプス【(ラテン)Ave verum corpus】


モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス

英語表記/番号出版情報
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプスAve verum corpus K.618作曲年1791年 

作品解説

2012年4月 執筆者: PTNA編集部

第19回公開録音コンサートプログラムより引用

モーツァルト1791年12月この世去っていますが、そのわずか半年前の6月あたかも自分の死とその後予見するのようなどこまでも天上的な作品残してます。
名作レクイエム」と並ぶ最期宗教曲「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。
モーツァルトが、妻コンスタンツェ療養世話した合唱指揮者アントン・シュトルのために作曲したものです。
モーツァルト晩年の傑作とされ、合唱弦楽オルガンのみというシンプルな編成で、長さ46小説しかありませんが、そこに描かれているのは、この世しがらみ超えた清澄透明な世界
悲痛なレクイエム」と比べると、すべての闘い終えて天に帰ったようなやすらぎ満ちてます。


Ave verum corpus,
Natum de Maria Virgine,
Vere passum, immolatum
In cruce pro homine,
Cujus latus perforatum
Unda fluxit et sanguine,
Esto nobis praegustatum
In mortis examine.

めでたし乙女マリアより生まれ給いまことのお体よ。
人々のため犠牲となりて十字架上でまことの苦しみを受け、
貫かれたその脇腹から血と流し給いし方よ。
我ら臨終試練をあらかじめ知らせ給え
優しきイエスよ。
慈悲深きイエスよ。
マリアの子イエスよ。アーメン


アヴェ・ヴェルム・コルプス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/21 07:57 UTC 版)

アヴェ・ヴェルム・コルプス (Ave verum corpus) は、カトリックで用いられる聖体賛美歌である。トリエント公会議で確立された対抗宗教改革の一環として典礼に取り入れられ、主に聖体祭ミサで用いられた[1]

現在では、ウィリアム・バードモーツァルトフォーレ作曲によるものが有名(モーツァルトらのテキストには一部変更もみられる)。

テキスト

Ave verum corpus natum de Maria Virgine. めでたし、乙女マリアより生まれ給いしまことのお体よ。
Vere passum immolatum in cruce pro homine: 人々のため犠牲となりて十字架上でまことの苦しみを受け、
cujus latus perforatum fluxit aqua et sanguine. 貫かれたその脇腹から血と水を流し給いし方よ。
Esto nobis praegustatum mortis in examine. 我らの臨終の試練をあらかじめ知らせ給え。
O Iesu dulcis, 優しきイエスよ。
O Iesu pie, 慈悲深きイエスよ。
O Iesu Fili Mariae. Amen. マリアの子イエスよ。アーメン。

モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」ニ長調、K.618

この曲はモーツァルトが、妻コンスタンツェの療養を世話した合唱指揮者アントン・シュトルのために作曲したものである。簡素な編成でわずか46小節の小品だが、絶妙な転調による静謐な雰囲気からモーツァルト晩年の傑作とされる。

フランツ・リストはピアノ用の編曲『アレグリとモーツァルト システィーナ礼拝堂にて』S.461を残している。ピョートル・チャイコフスキーは、リストの編曲をオーケストレーションし、「組曲第4番『モーツァルティアーナ』」の第3曲『祈り』とした。

テキストの変更箇所

  • fluxit aqua et sanguine → unda fluxit et sanguine
    意味はほぼ同じ。
  • mortis in examine → in mortis examine, in mortis examine
    第4行 (in cruce pro homine) に合わせたという説があるが、定かではない。
  • O Iesu 以下 → 省略されている。

テキストの元の姿

1300年頃から伝承されている本テキストには数多くのヴァージョン即ち逸脱箇所が見られるが、おそらく初期の姿は以下のようであったと思われる[2]

Ave verum corpus natum
ex Maria virgine,
vere passum, immolatum
in cruce pro homine,
cuius latus perforatum
vero fluxit sanguine,
esto nobis praegustatum
mortis in examine.
O dulcis, o pie,
o fili Mariae.

脚注

  1. ^ 「Ave Verum」のカトリック神学の解釈については、ローマ法王ヨハネパウロ二世自身の講話(1983年6月5日)を参照: http://www.vatican.va/holy_father/john_paul_ii/angelus/1983/documents/hf_jp-ii_ang_19830605_it.html
  2. ^ Marcos Casquero, Manuel A. y José Oroz Reta(編): Lírica Latina Medieval II - Poesía Religiosa, Madrid, Biblioteca de Autores Cristianos, 1997, (p.698)

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