アベ‐ベルム‐コルプス【(ラテン)Ave verum corpus】
モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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モーツァルト:アヴェ・ヴェルム・コルプス | Ave verum corpus K.618 | 作曲年: 1791年 |
作品解説
第19回公開録音コンサートプログラムより引用
モーツァルトは1791年の12月にこの世を去っていますが、そのわずか半年前の6月、あたかも自分の死とその後を予見するかのような、どこまでも天上的な作品を残しています。
名作「レクイエム」と並ぶ最期の宗教曲「アヴェ・ヴェルム・コルプス」。
モーツァルトが、妻コンスタンツェの療養を世話した合唱指揮者アントン・シュトルのために作曲したものです。
モーツァルト晩年の傑作とされ、合唱と弦楽にオルガンのみというシンプルな編成で、長さも46小説しかありませんが、そこに描かれているのは、この世のしがらみを超えた清澄で透明な世界。
悲痛な「レクイエム」と比べると、すべての闘いを終えて天に帰ったようなやすらぎに満ちています。
Ave verum corpus,
Natum de Maria Virgine,
Vere passum, immolatum
In cruce pro homine,
Cujus latus perforatum
Unda fluxit et sanguine,
Esto nobis praegustatum
In mortis examine.
めでたし、乙女マリアより生まれ給いしまことのお体よ。
人々のため犠牲となりて十字架上でまことの苦しみを受け、
貫かれたその脇腹から血と水を流し給いし方よ。
我らの臨終の試練をあらかじめ知らせ給え。
優しきイエスよ。
慈悲深きイエスよ。
マリアの子イエスよ。アーメン。
アヴェ・ヴェルム・コルプス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/21 07:57 UTC 版)
アヴェ・ヴェルム・コルプス (Ave verum corpus) は、カトリックで用いられる聖体賛美歌である。トリエント公会議で確立された対抗宗教改革の一環として典礼に取り入れられ、主に聖体祭のミサで用いられた[1]。
現在では、ウィリアム・バードやモーツァルト、フォーレ作曲によるものが有名(モーツァルトらのテキストには一部変更もみられる)。
テキスト
Ave verum corpus natum de Maria Virgine. | めでたし、乙女マリアより生まれ給いしまことのお体よ。 |
Vere passum immolatum in cruce pro homine: | 人々のため犠牲となりて十字架上でまことの苦しみを受け、 |
cujus latus perforatum fluxit aqua et sanguine. | 貫かれたその脇腹から血と水を流し給いし方よ。 |
Esto nobis praegustatum mortis in examine. | 我らの臨終の試練をあらかじめ知らせ給え。 |
O Iesu dulcis, | 優しきイエスよ。 |
O Iesu pie, | 慈悲深きイエスよ。 |
O Iesu Fili Mariae. Amen. | マリアの子イエスよ。アーメン。 |
モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」ニ長調、K.618
この曲はモーツァルトが、妻コンスタンツェの療養を世話した合唱指揮者アントン・シュトルのために作曲したものである。簡素な編成でわずか46小節の小品だが、絶妙な転調による静謐な雰囲気からモーツァルト晩年の傑作とされる。
フランツ・リストはピアノ用の編曲『アレグリとモーツァルト システィーナ礼拝堂にて』S.461を残している。ピョートル・チャイコフスキーは、リストの編曲をオーケストレーションし、「組曲第4番『モーツァルティアーナ』」の第3曲『祈り』とした。
テキストの変更箇所
- fluxit aqua et sanguine → unda fluxit et sanguine
- 意味はほぼ同じ。
- mortis in examine → in mortis examine, in mortis examine
- 第4行 (in cruce pro homine) に合わせたという説があるが、定かではない。
- O Iesu 以下 → 省略されている。
テキストの元の姿
1300年頃から伝承されている本テキストには数多くのヴァージョン即ち逸脱箇所が見られるが、おそらく初期の姿は以下のようであったと思われる[2]。
- Ave verum corpus natum
- ex Maria virgine,
- vere passum, immolatum
- in cruce pro homine,
- cuius latus perforatum
- vero fluxit sanguine,
- esto nobis praegustatum
- mortis in examine.
- O dulcis, o pie,
- o fili Mariae.
脚注
- ^ 「Ave Verum」のカトリック神学の解釈については、ローマ法王ヨハネパウロ二世自身の講話(1983年6月5日)を参照: http://www.vatican.va/holy_father/john_paul_ii/angelus/1983/documents/hf_jp-ii_ang_19830605_it.html
- さらに: http://www.vatican.va/holy_father/john_paul_ii/speeches/1994/march/documents/hf_jp-ii_spe_18031994_address-to-pc-culture_en.html
- または: http://www.vatican.va/liturgical_year/holy-week/2005/documents/holy-week_homily-cantalamessa_20050325_en.html (2005年3月25日、Raniero Cantalamessaのヴァチカン大聖堂における説教)も参照。
- ^ Marcos Casquero, Manuel A. y José Oroz Reta(編): Lírica Latina Medieval II - Poesía Religiosa, Madrid, Biblioteca de Autores Cristianos, 1997, (p.698)
外部リンク
- 『新モーツァルト全集』におけるAve verum corpus KV 618の楽譜及び校訂報告
- Ave verum corpus - CPDL: Choral Public Domain Library
- 同上 as interactive hypermedia at the BinAural Collaborative Hypertext
- モーツァルトのAve verum corpusの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
固有名詞の分類
合唱曲 |
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モーツァルトの楽曲 |
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