アメリカの警察長(Police Chief、Chief of Police、Chief of Departmentなど)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 10:57 UTC 版)
「警察長」の記事における「アメリカの警察長(Police Chief、Chief of Police、Chief of Departmentなど)」の解説
「アメリカ合衆国の警察」も参照 アメリカの自治体警察などの長である「Police Chief」や「Chief of Police」の対訳として警察長を使う場合がある。現在の都道府県警察制度を基準にした対訳として警視総監又は本部長という訳も使われる。一部コンテンツでは「署長」という訳も見受けられるが、Police Chiefが一個の機関の長であることを考えればこの訳は適当とは言えない。大規模本部であれば「分署」(管区、precinct)が存在し、分署長はCaptainである。いずれにしても制服組の長である。またPolice Chiefという言葉が意味するところは、多くの警察機関において役職と階級の両方である。つまり警視総監と同じような性質をもつ単語と言えるだろう。 アメリカの自治体警察であるCity Policeなどはそもそも日本の自治体警察のお手本であるので、警察長にも類似点がある。警察長(本部長)は首長や公安委員長、郡保安官所属の警察機関の場合は保安官にそれぞれ任命されて警察の指揮監督を担う。キャリア制度が無いアメリカの自治体警察では警察長になる者も最初はパトカーで巡回する巡査から仕事を始め、経験をかさね、資格をとり、手柄をあげて本部長まで出世する。例を挙げると、2011年5月現在のニューヨーク市警察の警察長であるJoseph J. Espositoは1971年に巡査を拝命し、第77分署の警ら課での勤務から警察官としての経歴を開始している。'83年に刑事、同年に巡査部長、'86年に警部補、'89年に警部、'93年に警視、'94年に警視正と出世していき、2000年から警察長を務めている。Esposito警察長のように巡査から本部長まで同じ機関で働く人もいるが、より好条件での雇用や出世を求めて他の機関へ転職する者も少なくない。警察官の募集広告は多数出ており、学歴や経歴、資格に一定の条件を課した上で警察長を含む管理職を求める機関は多い。機関にもよるが、警察長ともなれば10万ドル前後からそれ以上の収入が得られる高給取りであり、その分だけ自治体側の要求も高いのが常である。
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