アマルテア・ゴサマー環
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 15:35 UTC 版)
アマルテア・ゴサマー環は非常に希薄な構造で、半径約18万2,000 km(2.54木星半径)のアマルテアの軌道から半径約12万9,000 km(1.80木星半径)までを占める。より明るいハロ環と主環があるため、内側の境界は明瞭ではない。環の厚さは約2,300kmで、おおよそアマルテアの軌道近くから木星の方向に向かって緩やかに減少している。アマルテア・ゴサマー環は、上端と下端の付近で最も明るく、また木星の方向に向かうに従って明るくなっていく。環の外端は比較的明瞭であり、環の明るさがアマルテアの軌道のすぐ内側で急に落ちるが、衛星の軌道を若干超え、テーベとの4:3の共鳴軌道にまで達する。前方散乱では、環の明るさは主環の約30分の1である。後方散乱では、ケック天文台 とハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ でしか捉えられていない。後方散乱の画像からは、環のさらなる構造が観測され、明るさのピークはアマルテアの軌道のすぐ内側、環の上端と下端にあることが分かる。 2002年から2003年、ガリレオはゴサマー環を2度通過した。その際、探査機のダストカウンターは、0.2–5 µm の大きさの粒子を検出した。さらにスタースキャナーは、アマルテアの近くに1km以下の小さな天体を検出した。これらは、衛星に衝突した塵が集まってできたものかもしれない。 ゴサマー環の地上からの観測やガリレオの写真、直接の塵の測定によって、塵の大きさの分布は主環の塵の大きさを表す冪乗則と同じ式で、q = 2 ± 0.5 となることが分かった。この環の光学的深さは約 10−7 で、主環よりも小さいが、塵の質量は 1017–1019 kg と同程度である。
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