アセトアミド
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/03 01:30 UTC 版)
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物質名 | |||
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アセトアミド |
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別名
エタンアミド |
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識別情報 | |||
3D model (JSmol)
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ChEMBL | |||
ChemSpider | |||
ECHA InfoCard | 100.000.430 | ||
KEGG | |||
PubChem CID
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UNII | |||
CompTox Dashboard (EPA)
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性質 | |||
C2H5NO | |||
モル質量 | 59.07 g·mol−1 | ||
示性式 | CH3CONH2 | ||
密度 | 1.159 g/cm3, 固体, 20 °C | ||
融点 | 79 - 81 °C (174 - 178 °F; 352 - 354 K) | ||
沸点 | 221.2 °C (430.2 °F; 494.3 K) 分解 | ||
2 g/mL[1] | |||
log POW | −1.26 | ||
蒸気圧 | 1.3 Pa | ||
酸解離定数 pKa | 15.1 (25 °C, H2O)[2] | ||
磁化率 | −0.577 × 10−6 cm3 g−1 | ||
屈折率 (nD) | 1.4274 | ||
粘度 | 2.052 cP (91 °C) | ||
熱化学[3] | |||
標準定圧モル比熱, Cp |
91.3 J·mol−1·K−1 | ||
標準モルエントロピー S |
115.0 J·mol−1·K−1 | ||
標準生成熱 (ΔfH⦵298)
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−317.0 kJ·mol−1 | ||
危険性 | |||
安全データシート(外部リンク) | External MSDS | ||
GHSピクトグラム | ![]() |
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GHSシグナルワード | 警告(WARNING) | ||
Hフレーズ | H351 | ||
Pフレーズ | P201, P202, P281, P308+P313, P405, P501 | ||
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド) | |||
引火点 | |||
半数致死量 LD50 | 7000 mg kg−1 (ラット, 経口) | ||
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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アセトアミド(英: acetamide)とは有機化合物の一種で、酢酸とアンモニアが脱水縮合した構造を持つアミドである。
性質
無色で六角形の結晶。融点 82 °C、沸点 221 °C。20 °Cで水に 97 %、エタノールには 31 % 溶ける。クロロホルムやグリセリンにも溶けるが、エーテルにはほとんど溶けない。
酢酸アンモニウムと無水酢酸を加熱すると得られる。また、酢酸アンモニウムの熱分解でも合成できる[5]。
加水分解すると酢酸とアンモニアに、脱水するとアセトニトリルになる。 LiAlH4などによって還元され、エチルアミンとなる。
溶融アセトアミドは、さまざまな有機、無機化合物を良く溶かす溶媒として用いられる。
安全性
実験動物において、癌を引き起こすことが確認されている。国際がん研究機関では、人に対する発ガンリスクの分類をグループ2Bとしている。
アセトアミド基
化学式が CH3C(=O)NH- と表される1価の置換基を、アセトアミド基 (acetoamido group) と呼ぶ。弱い電子供与性基として扱われる。
宇宙における分布
アセトアミドは、彗星表面および天の川銀河の中心部から検出されている[6][7]。アセトアミドはタンパク質中のペプチド結合と同じ構造をもつ。そのためアセトアミドの存在は、生命の原料となる化学物質が宇宙空間で生成していることを示す証拠の一つとして、宇宙生物学の分野で興味を持たれている。
出典
- ^ The Merck Index, 11th Edition, 36
- ^ Haynes, William M., ed (2016). CRC Handbook of Chemistry and Physics (97th ed.). CRC Press. pp. 5–88. ISBN 9781498754293
- ^ John Rumble (June 18, 2018) (English). CRC Handbook of Chemistry and Physics (99th ed.). CRC Press. pp. 5–3. ISBN 978-1138561632
- ^ Mindat: Acetamide
- ^ Coleman, G. H.; Alvarado, A. M. Org. Synth., Coll. Vol. 1, p. 3 (1941); Vol. 3, p.3 (1923). オンライン版
- ^ Hollis, J. M.; Lovas, F. J.; Remijan, Anthony J.; Jewell, P. R.; Ilyushin, V. V.; Kleiner, I. (2006-05-02). “Detection of Acetamide (CH3CONH2): The Largest Interstellar Molecule with a Peptide Bond” (英語). The Astrophysical Journal 643 (1): L25–L28. doi:10.1086/505110. ISSN 0004-637X .
- ^ Bibring, J.-P.; Taylor, M. G. G. T.; Alexander, C.; Auster, U.; Biele, J.; Finzi, A. Ercoli; Goesmann, F.; Klingelhoefer, G. et al. (2015-07-31). “Philae's First Days on the Comet”. Science 349 (6247): 493–493. doi:10.1126/science.aac5116. ISSN 0036-8075 .
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