アエロ Ae-45とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > アエロ Ae-45の意味・解説 

アエロ Ae-45

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/09/26 07:09 UTC 版)

アエロ Ae-45

ポーランド航空博物館のAe-145 救急搬送機

アエロ Ae-45(Aero Ae-45)は、第二次世界大戦後にチェコスロバキアアエロ社で製造された双発レシプロエンジンの民間多用途機である。本機は戦後初めてチェコスロバキアで製造された航空機で非常な成功作であり、製造された590機の内の多くが輸出された。

設計と開発

Ae-45の開発は1946年に始まり、設計技師のJiři Bouzek、Ondřej Nemec、František Vikらにより完成された。試作機(登録記号:OK-BCA)は1947年7月21日に、登録記号OK-CDAの試作2号機は1年後に初飛行した。飛行テストは事故も無く進み、1948年に量産が始まった。"45"という型式番号は戦前のアエロ社の命名規則に則ってはおらず、この機体が4/5座席であることに由来していた。

運用の歴史

Ae-45の試作機は海外にも広く宣伝され、1949年8月に登録記号OK- DCLの機体が英国で催されたノートン・グリフィス・レース(Norton Griffiths Race)で優勝した。Ae-45は幾つかの世界記録も樹立し、その結果を受けて東側諸国とは別にイタリアスイスでも購入された。1958年8月10日 - 11日にイタリアのAe-45が南アメリカからダカールまで南大西洋横断の3,000 kmを翔破した。(チェコスロバキアの機種としては初めてのことであった)1981年にはヨン・スヴェンセン(Jon Svensen)がAe-45S でヨーロッパからアメリカ合衆国まで飛行した[1]

Ae-45はチェコスロバキアで使用され、中華人民共和国東ドイツハンガリーイタリアポーランドルーマニアソビエト連邦やスイスに輸出された。中でもハンガリーは主要なユーザーであり、Ae-45はKócsagハンガリー語で"オオシラサギ")の名で知られた。

派生型

Let Aero Ae 145
アエロ 45
最初の量産モデル。1948年から1951年にかけてアエロ社の工場で200機製造。
アエロ 45S "スーパーアエロ(Super Aero)"
KunoviceLET社の工場で製造されたより高性能の航法装置などを取り付けた改良モデル。1954年から1959年にかけて228機製造。
アエロ 145
LET社で開発、製造されたエンジンをスーパーチャージャー付きのアヴィア(Avia) M332に換装したモデル。1959年から1963年にかけて162機製造。
アエロ 245
実験用モデル。製造されず。
アエロ 345
実験用モデル。製造されず。
スンガリ-1(Sungari-1)
1958年から中華人民共和国ライセンス生産されたAe 45S[1]

運用

Aero Ae 145

民間運用

チェコスロバキア
東ドイツ
インターフルク
イタリア
ポーランド
LOTポーランド航空1952年から1957年にかけて3機のAe-45を運用[2]
ポーランド救急搬送サービス(Polish Air Ambulance Service):Ae-45とAe-145を運用
ルーマニア
アヴィアサン(Aviasan)
ソビエト連邦
アエロフロート
スイス

軍事運用

中国
中国人民解放軍空軍ライセンス生産のスンガリ-1(Sungari-1)を運用
チェコスロバキア
チェコスロバキア空軍:K-75の名称で連絡任務に運用
東ドイツ
東ドイツ空軍
ハンガリー
ハンガリー空軍
インド
インド空軍:チェコスロバキア政府から寄贈された1機を運用
ルーマニア
ルーマニア空軍
ベトナム
ベトナム民主共和国空軍:1956年から3機の Ae-45(中華人民共和国から購入)を運用

要目

(Super Aero 45)

  • 乗員:1名
  • 乗客:3 - 4名
  • 全長:7.54 m (24 ft 9 in)
  • 全幅:12.60 m (46 ft 7 in)
  • 全高:2.30 m (7 ft 7 in)
  • 翼面積:17.09 m² (184 ft²)
  • 翼面荷重:88 kg/m² (18 lb/ft²)
  • 空虚重量:960 kg (2,112 lb)
  • 運用重量:1,510 kg (3,322 lb)
  • 最大離陸重量:1,600 kg (3,527 lb)
  • 馬力重量比:0.08 kW/kg (0.05 hp/lb)
  • エンジン:2 × ヴァルター=マイナー(Walter-Minor)-III 直列4気筒レシプロエンジン, 77 kW (105 hp)
  • 最大速度:270 km/h (146 knots, 168 mph)
  • 巡航速度:285 km/h
  • 巡航高度:1,350 m (4,429 ft)
  • 航続距離:1,600 km (864 nm, 1,000 miles)

出典

  1. ^ a b c Vaclav Nemecek, Atlas letadel. Dvoumotorova obchodni letadla, Praha 1987
  2. ^ Adam Jońca: Samoloty linii lotniczych 1945-1956, WKiŁ, Warsaw 1985, ISBN 83-206-0529-6
  • Vaclav Nemecek, Atlas letadel. Dvoumotorova obchodni letadla, Praha 1987

外部リンク

関連項目



「アエロ Ae-45」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アエロ Ae-45」の関連用語

アエロ Ae-45のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アエロ Ae-45のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアエロ Ae-45 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS