アイランズ (キングクリムゾンのアルバム)とは? わかりやすく解説

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アイランズ (キング・クリムゾンのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 19:33 UTC 版)

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アイランズ
キング・クリムゾンスタジオ・アルバム
リリース
録音
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル
プロデュース キング・クリムゾン
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 30位(イギリス)
  • 76位(アメリカ)
  • キング・クリムゾン アルバム 年表
    • アイランズ
    • (1971年 (1971)
    ミュージックビデオ
    「Sailors Tale」 - YouTube
    テンプレートを表示

    アイランズ[注釈 1]』(英語: Islands)は、キング・クリムゾン1971年に発表したスタジオ・アルバム。通算4作目。

    解説

    1970年、キング・クリムゾンは、ロバート・フリップ(ギター、メロトロン)とピート・シンフィールド(作詞、照明)の2名のオリジナル・メンバーと、メル・コリンズ(サックス、フルート)、ゴードン・ハスケル(リード・ボーカル、ベース・ギター)、アンドリュー・マカロック(ドラムス)の新メンバー[注釈 2]、さらにジャズ・ピアニストのキース・ティペット[注釈 3]と彼のグループやジョン・アンダーソンらのゲストによって、サード・アルバム『リザード』を制作して12月に発表した。そして、オリジナル・メンバーによる1969年のアメリカ・ツアー以来となるライブ活動を行うために、アルバム発表直後にリハーサルを開始するが、その初日にハスケル、引き続いてマカロックが脱退してしまったので、新メンバーを探さなければならなくなった。

    フリップは同年、ティペットが主催する60名を超える大編成ジャズ・バンドであるセンティピードのアルバム『セプトーバー・エナジー』のプロデューサーを務めた。その時に紹介されたボーカリストのボズ・バレルをキング・クリムゾンのオーディションに誘い、採用した。また、キース・エマーソンに推薦されたドラマーのイアン・ウォーレスをやはりオーディションの後に採用。ベーシストは適任者探しが難航し、ようやくスティーライ・スパンのリック・ケンプに決定したが、ライブ活動の為のリハーサルの直前に加入を断られてしまった。フリップ達はギターを弾けるバレルがベーシストを兼任する策を思いつき、フリップとウォーレスとが協力して彼にベース・ギターを教えることになった。その結果、フリップ(ギター、メロトロン)、バレル(リード・ボーカル、ベース・ギター)、コリンズ(サックス、フルート、メロトロン)、ウォーレス(ドラムス、バック・ボーカル)、シンフィールド(FOH・サウンド・エンジニアリング、VCS3・シンセサイザー、照明)の顔ぶれでライブ活動を開始。1971年4月にドイツのフランクフルトで4回のコンサート、5月から10月末までイギリス・ツアー、11月から約1か月間のアメリカ・カナダ・ツアーを行った。そして、7月からはライブ活動と並行して新アルバム『アイランズ』を制作した。

    本作には女性オペラ歌手のポーリナ・ルーカス、前作に引き続き、キース・ティペット・グループのメンバー等がゲスト参加している。1曲目「フォーメンテラ・レディ」の初期セッションではベテランのジャズ・ピアニスト、ジュールス・ルーベンが参加したが音楽的に合わず、キース・ティペットに代わっている。

    本作はイギリス・ツアーと並行して制作された。シンフィールドは制作状況の変化を指摘して、フリップと彼の細かい指示により厳しくコントロールされた前作『リザード』とは異なり、本作は「ギグとギグの合間にレコーディングを繰り返す為、反動で思いつくままに制作された」と述べている[1]

    シンフィールドによる歌詞は、『オデュッセイア』の世界観から影響を受けた内容となっている。彼はジャケット・デザインも担当し、いて座三裂星雲の写真を使用したが、アメリカ盤の初回盤のジャケットでは、彼が描いた絵に差し替えられた[2]

    「レターズ」は、デビュー当時の1969年、オリジナル・メンバーのライブで演奏されていた「ドロップ・イン」という曲を改作したもの[注釈 4]

    本作のリリースから間もない1971年12月、シンフィールドがフリップにより解雇。年が明けて1972年1月のリハーサルでフリップと他の3名とが対立した結果、バンドの解散が決まった。所属事務所のEGからアメリカ・ツアーの契約が残っていると指摘されたので、契約履行の為のツアーを2月から始め、4月1日の終了と同時に解散した。ツアー中に3人はアレクシス・コーナーと意気投合して、アメリカに残ってコーナーの新しいバンド『スネイプ』に加入。フリップはイギリスに帰国してキング・クリムゾンの新メンバーを探し始めた。

    本作発表と前後して行われたツアーの模様は、『アースバウンド』(1972年),『レディース・オブ・ザ・ロード』(2002年), "Sailors' Tales (1970–1972)"(2017年)などに収録された。

    収録曲

    SIDE ONE

    1. フォーメンテラ・レディ - Formentera Lady (10:14)
      Fripp, Sinfield
    2. 船乗りの話 - Sailor's Tale (7:21)
      Fripp
    3. レターズ - The Letters (4:26)
      Fripp, Sinfield

    SIDE TWO

    1. レディース・オブ・ザ・ロード - Ladies of the Road (5:28)
      Fripp, Sinfield
    2. プレリュード:かもめの歌 - Prelude: Song of the Gulls (4:14)
      Fripp
    3. アイランズ - Islands (11:51)
      Fripp, Sinfield

    参加ミュージシャン

    ゲスト・ミュージシャン

    クレジット

    Robert Fripp:    guitar, mellotron, Peter's Pedal
    Harmonium and sundry implements.
    Mel Collins:    flute, bass flute, saxes and vocals.
    Boz:    bass guitar, lead vocals and choreography.
    Ian Wallace:    drums, percussion and vocal.
    Peter Sinfield:    words, sounds and visions
     
    Featured players
    Keith Tippett:    piano.
    Paulina Lucas:    soprano.
    Robin Miller:    oboe.
    Mark Charig:    cornet.
    Harry Miller:    string bass.
     
    Engineer Andy Hendrikson.
    Cover Design & Painting: Peter Sinfield
    Photographs: Robert Ellis
    Equipment: Vick & Mike
    Recorded at Command Studios, Picadelly, London.
     
    Produced by King Crimson for E.G. Records.
    All songs published by E.G. Music Ltd. ©1971.

    脚注

    [脚注の使い方]

    注釈

    1. ^ かつての日本語タイトルは『アイランド』だったが、2006年の再発CDからは原題と同じ複数形『アイランズ』となっている
    2. ^ コリンズとハスケルとは、前作のセカンド・アルバムの制作にも携わったが、メンバーであるとは明記されていなかった。
    3. ^ 前作のセカンド・アルバムにもゲスト参加した。
    4. ^ エピタフ -1969年の追憶-』に、1969年の「ドロップ・イン」のライブ演奏が、シンフィールドを除いたオリジナル・メンバーの名義の作品として、収録されている。

    出典

    1. ^ (Smith,Sid. King Crimson:Track By Track. London:helter skelter publishing Limited.2002)
    2. ^ 日本盤CD(IECP-50004)ライナーノーツ(赤岩和美、2003年12月)

    外部リンク




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