レディース・オブ・ザ・ロードとは? わかりやすく解説

レディース・オブ・ザ・ロード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/24 04:41 UTC 版)

キング・クリムゾン > キング・クリムゾンの作品 > レディース・オブ・ザ・ロード
『レディース・オブ・ザ・ロード』
キング・クリムゾンライブ・アルバム
リリース
録音
ジャンル プログレッシブ・ロック
時間
レーベル ディシプリン・グローバル・モービル
プロデュース
専門評論家によるレビュー
AllMusic Rating link
キング・クリムゾン アルバム 年表
  • レディース・オブ・ザ・ロード
  • (2002年 (2002)
  • Happy with What You Have to Be Happy With
  • (2002年 (2002)
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レディース・オブ・ザ・ロード』(Ladies Of The Road)は、2002年に発表されたキング・クリムゾンの2枚組CDのライブ・アルバム。『キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ』が所有する1971年と1972年の録音から編集された[1]

解説

背景

キング・クリムゾンは、デビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年 (1969))発表後のアメリカ・ツアー中に脱退を決意するオリジナル・メンバーが続出。ツアー終了後にはロバート・フリップ(ギター)とピート・シンフィールド(作詞、コンセプト作り)だけになった。両名は既に脱退を表明したメンバーやゲストの助けを借りてセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』を1970年5月に発表した後、メル・コリンズ(サクソフォーン、フルート)ら3名の新メンバーに迎えて[注釈 1]、同年12月にサード・アルバム『リザード』を発表した。しかしライブ活動を再開しようとした矢先に、コリンズ以外の新メンバーが脱退。そこでドラマーのイアン・ウォーレスとシンガーのボズ・バレル[注釈 2]を迎え、ギターが弾けるバレルにフリップとウォーレスが協力してベース・ギターを教えてベーシスト兼任にした。

1971年4月 (1971-04)、フリップ(ギター、メロトロン)、コリンズ(サクソフォーン、フルート、メロトロン)、バレル(リード・ボーカル、ベース・ギター)、ウォーレス(ドラムス、バック・ボーカル)、シンフィールド(FOH・サウンド・エンジニアリング、VCS3・シンセサイザー、照明)は、フランクフルトのズーム・クラブで4回のコンサートを行ない[2]、1969年のアメリカ・ツアー以来となるライブ活動を開始した。彼等は5月から6月までと8月から10月末までの2度のイギリス・ツアー[3][注釈 3]、11月から約1か月間のアメリカ・カナダ・ツアー[4]を行ない、7月からは並行して新作『アイランズ』を制作した。しかし『アイランズ』の発表から間もない12月、シンフィールドがフリップと対立して解雇され、さらに年明けのリハーサルでフリップとコリンズら3人との間に対立が起こって[5]解散することになった。そして契約履行の為のアメリカ・ツアーを2月から開始し、それが終了した4月に解散した。

内容

本作には、1971年5月から10月末までのイギリス・ツアー、11月から約1か月間のアメリカ・カナダ・ツアー、シンフィールドが去った後の4人編成による1972年2月から4月までのアメリカ・ツアーからの演奏が収録されている。アルバム・タイトルのレディース・オブ・ザ・ロード("Ladies Of The Road")は、イギリス・ツアーと並行して制作された『アイランズ』に収録された同名曲に由来すると考えられる。同曲はこれらのツアーで頻繁に演奏されたが、本作には収録されていない。

Volume One: LADIES OF THE ROAD

フリップが主宰するディシプリン・グローバル・モービルが通信販売する『キング・クリムゾン・コレクターズ・クラブ』シリーズで発表された演奏が収録された。ドノヴァン作の「ゲット・ザイ・ベアリングス」は1969年にもオリジナル・メンバーにより取り上げられた[注釈 4]が、本作ではシンフィールドを除く1971年のメンバーによる編曲となっている。

Volume Two: SCHIZOID MEN

4人編成による1972年のアメリカ・ツアーから、「21世紀のスキッツォイド・マン」の11の演奏のギターとサックスのソロ部分を繋ぎ合わせた"Schizoid Men 1-11"が収録された[注釈 5]。これらの演奏はカセット・レコーダーで録音されたものである[注釈 6]

収録曲

Volume One: LADIES OF THE ROAD

  1. 冷たい街の情景 - Pictures of a City
  2. レターズ - The Letters
  3. フォーメンテラ・レディ - Formentera Lady (abridged)
  4. 船乗りの話 - The Sailor's Tale
  5. サーカス - Cirkus
  6. グルーン - Groon
  7. ゲット・ザイ・ベアリングス - Get Thy Bearings
  8. 21世紀のスキッツォイド・マン - 21st Century Schizoid Man
  9. クリムゾン・キングの宮殿 - The Court of the Crimson King
Volume One: Ladies Of The Roads
# タイトル 作詞・作曲 オリジナル・録音年月日・場所・KCCC 時間
1. 「冷たい街の情景 Pictures of a City」 Fripp, Sinfield
2. 「レターズ The Letters」 Fripp, Sinfield
3. 「フォーメンテラ・レディ Formentera Lady」 Fripp, Sinfield
4. 「船乗りの話 The Sailors Tale」 Fripp (instrumental)
  • 『アイランズ』
  • 1971年11月13日 (1971-11-13)
  • ミシガン州 デトロイト Eastown Theatre
  • 『ライヴ・イン・デトロイト、MI 1971』
5. 「サーカス Cirkus」 Fripp, Sinfield
  • リザード』(1970年)
  • 1971年11月13日 (1971-11-13)
  • ミシガン州 デトロイト Eastown Theatre
  • 『ライヴ・イン・デトロイト、MI 1971』
6. 「グルーン Groon」 Fripp (instrumental)
  • シングル『キャット・フード』B面(1970年)
  • 1972年3月12日 (1972-03-12)
  • コロラド州 デンバー サミット・スタジオ
  • 『ライヴ・アット・サミット・スタジオ 1972』
7. ゲット・ザイ・ベアリングス Get Thy Bearings」 Donovan (arr: Fripp, Collins, Burrell, Wallace)
  • ドノヴァン、アルバム『ハーディー・ガーディー・マン』(1968年)
  • 1971年5月11日 (1971-05-11)
  • プリマス プリマス・ギルドホール
  • 『ライヴ・アット・プリマス・ギルドホール 1971』
8. 21世紀のスキッツォイド・マン 21st Century Schizoid Man」 Fripp, McDonald, Lake, Giles, Sinfield
  • クリムゾン・キングの宮殿』(1969年)
  • 1972年3月12日 (1972-03-12)
  • コロラド州 デンバー サミット・スタジオ
  • 『ライヴ・アット・サミット・スタジオ 1972』
9. クリムゾン・キングの宮殿 In the Court of the Crimson King」 McDonald, Sinfield
  • 『クリムゾン・キングの宮殿』
  • 1971年11月13日 (1971-11-13)
  • ミシガン州 デトロイト Eastown Theatre
  • 『ライヴ・イン・デトロイト、MI 1971』
合計時間:

Volume Two: SCHIZOID MEN

1 - 11 スキッツォイド・メンPT.1 - PT.11 - Schizoid Men 1 - 11
Volume Two: Schizoid Men
# タイトル 作詞・作曲 KCCC 時間
1. 「スキッツォイド・メンPT.1 Schizoid Men 1
  • including 21st Century Schizoid Man」
Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental)
  • Fripp, McDonald, Lake, Giles, Sinfield
  • ライヴ・アット・ジャクソンヴィル 1972
    2. 「スキッツォイド・メンPT.2 Schizoid Men 2」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental) 『ライヴ・アット・ジャクソンヴィル 1972』
    3. 「スキッツォイド・メンPT.3 Schizoid Men 3」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental) ライヴ・イン・デンバー、CO 1972
    4. 「スキッツォイド・メンPT.4 Schizoid Men 4」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental) ライヴ・イン・オーランド、FL 1972
    5. 「スキッツォイド・メンPT.5 Schizoid Men 5」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental)  
    6. 「スキッツォイド・メンPT.6 Schizoid Men 6」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental)  
    7. 「スキッツォイド・メンPT.7 Schizoid Men 7」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental)  
    8. 「スキッツォイド・メンPT.8 Schizoid Men 8」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental)  
    9. 「スキッツォイド・メンPT.9 Schizoid Men 9」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental)  
    10. 「スキッツォイド・メンPT.10 Schizoid Men 10」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental)  
    11. 「スキッツォイド・メンPT.11 Schizoid Men 11」 Fripp, Collins, Burrell, Wallace (instrumental)  
    合計時間:

    参加ミュージシャン

    脚注

    注釈

    1. ^ コリンズは『ポセイドンのめざめ』の制作にも参加していたが、同アルバムでは8名が現メンバー、旧メンバー、ゲストの区別なく記載されており、彼が正式メンバーとしての契約を既に結んでいたがどうかは明らかではない。
    2. ^ 当時のクレジットは、『ボズ』(”Boz”)。
    3. ^ 9月4日にはハイド・パークのフェスティバルに出演した。
    4. ^ エピタフ -1969年の追憶-』に収録された。
    5. ^ 即興演奏に入る前の歌唱部分が'Schizoid Men 1'、11の即興演奏が'Schizoid Men 2'から'Schizoid Men 11'に収録されている。'Schizoid Men 11'には1分間の空白を挟んで2つの即興演奏が含まれている。
    6. ^ このツアーでの演奏を編集した1972年発表のライブ・アルバム『アースバウンド』には、"The recordings were captured live on an anpex stereo cassette fed from a Kelsey Morris custom built mixer..."と記された。

    出典

    1. ^ ロバート・フリップ。本作ライナーノーツより。
    2. ^ Smith (2019), p. 113.
    3. ^ Smith (2019), pp. 114–119.
    4. ^ Smith (2019), pp. 122–124.
    5. ^ Smith (2019), p. 125.

    引用文献

    • Smith, Sid (2019). In the Court of King Crimson: An Observation over Fifty Years. Panegyric. ISBN 978-1916153004 




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