アイヌ料理の現在
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 00:59 UTC 版)
今まで述べてきたアイヌ民族の食生活は江戸時代後期から明治初期頃までの例である。以降は明治時代に本格化した開拓事業やエゾシカ大量死などの自然災害などによって、猟の獲物も腹を満たすほどには得られなくなった。現在のアイヌ民族は周囲の和人と殆ど差のない食生活を送っている。 しかし山間部に住むアイヌ民族にとっては、春の山菜狩りは今なお一大イベントである。先祖と同じくギョウジャニンニクを大量に採集し、おひたし、酢味噌和え、卵とじ、醤油漬けなど和人の調理法を取り入れて賞味している。 前述のオハウ(汁物)は味噌を加えられ味噌汁と同化したが、それでも食生活の中では重要な位置を占めている。ラタシケㇷ゚は獣脂や魚油の代わりにバターを使用し、ポテトサラダ風になって現在でも親しまれている。ミキサーを使ってオオウバユリの球根をすり潰し、抽出した澱粉を中華料理やコーンスープのとろみ付けに使う例もあるという。 アイヌ料理の伝統は、形をかえつつも今なお伝承されているのである。
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