ロスネフチ
読み方: ろすねふち
【英】: rosneft
【英】: rosneft
旧ソ連時代末期の1991年9月に、旧ソ連石油・ガス工業省の機能を代行する機関として「ロスネフチェガス(Rosneftegas)」という名称で設立された一環操業会社。 設立当初のロスネフチェガスは、旧ソ連全土で活動していた石油生産企業119社、精製企業70社、石油製品販売企業70社を子会社として傘下に収めていた。1993年、ルクオイル、ユコス、スルグトネフチェガスが新規に設立されると、ロスネフチェガスは現在の名称である「ロスネフチ」に改称され、同時に、傘下の生産、精製、石油製品販売のそれぞれの子会社の一部をこれら3社に譲渡した。このような子会社の譲渡は、その後もロシアで垂直統合石油企業が新設される度に実施されたため、徐々にロスネフチの企業規模は縮小し、2004年の時点でロスネフチが保有するのは、生産子会社7社、精製子会社3社、販売子会社15社となった。 1998年5月にロシア連邦政府は、ロスネフチの全株式の75%プラス1株の売却(同社の民営化)を試みたが、折からの原油価格の低迷を反映して応札企業なしという事態に至ったため、これを断念した。また。2005年5月にはガスプロムによるロスネフチの吸収合併計画が白紙撤回された。 2004年12月にロシア連邦政府は、ユコスの主力生産子会社ユガンスクネフチェガスを競売にかけて、ロスネフチが同子会社を傘下に収めた。これにより、ロスネフチは自らの企業規模の拡大を達成した。ユガンスクネフチェガスが寄与したことで、ロスネフチの原油生産量は2004年の2,162万トンから2005年には7,460万トン(TNK-BPと並びロシア第2位)まで約3.5倍増となった。 ロスネフチは、2006年5月時点でロシアの垂直統合石油企業の中で唯一の国営石油企業(ロシア連邦政府が議決権付き株式のすべてを保有)である。2006年7月に株式の一部を公開する予定である。13人の取締役のうちボグダンチコフ社長以外の12人がロシア連邦政府から派遣されているため、ロスネフチの経営戦略はロシア連邦政府の意向を反映したものと考えられる。 (小森 吾一、2007年3月) |
- ろすねふちのページへのリンク