ほかの投資と共通のリスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/13 01:52 UTC 版)
「ヘッジファンド」の記事における「ほかの投資と共通のリスク」の解説
ヘッジファンドはほかの投資と多くのリスクを共有する。例としては流動性リスク(英語版)とマネージャー・リスクがある。流動性とは資産の取引や現金と容易に交換できるかの度合いを指す。プライベート・エクイティ・ファンドと同じく、ヘッジファンドは解約を禁止されるロックアップ期間を指定することが多い。マネージャー・リスクはファンド・マネジメントにより発生するリスク、およびスタイル・ドリフト(ファンド・マネージャーが専門とする投資戦略から離れて取引してしまうこと)のリスクを指す。マネージャー・リスクは評価リスク(英語版)、キャパシティ・リスク、集中リスク(英語版)、レバレッジ・リスクを含む。評価リスクは純資産額(英語版)の計算が不正確である可能性を指し、キャパシティ・リスクは1つの戦略に資金を多く投資しすぎてファンド全体のパフォーマンスを悪化させてしまうリスクを指し、集中リスクはファンドのエクスポージャーが1つの投資、業界、戦略、または相関したファンドのグループに集中しているリスクを指す。これらのリスクは利益相反への規制、資金の配分の制限、戦略へのエクスポージャーの限度の指定によってある程度軽減できる。 多くの投資ファンドはレバレッジ、借金、信用取引、デリバティブを使って、投資家の資本以上の市場エクスポージャーを得る。レバレッジは得られる利益を増大させることができるものの、同時に損失を増大させる危険性もある。レバレッジを使うヘッジファンドは全面的なリスクマネジメント戦略を採用することが多い。ヘッジファンドのレバレッジは投資銀行のそれより低い。全米経済研究所の論文によると、投資銀行の平均レバレッジが14.2倍のに対し、ヘッジファンドは1.5倍から2.5倍までの間である。 ヘッジファンドなど一部の投資ファンドは利益を最大化するためにリスクの選好度合いが高いと認識されている(ただし、投資家とファンド・マネージャーが指定した限度内)。マネージャー自らがファンドに投資していると、リスク監査を強化するインセンティブがさらに高くなる。
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