米朝共同合意(べいちょうきょうどうごうい)
10月12日、北朝鮮の外交代表がアメリカと交わした合意である。北朝鮮とアメリカの関係改善など、内容は3項目からなる。
長い間、北朝鮮とアメリカは強く対立してきた。アメリカ側は北朝鮮を「テロ支援国」と指定し、北朝鮮との貿易を一切、禁止していた。北朝鮮側もアメリカを「米帝(アメリカ帝国主義)」と呼び、反発していた。特に、北朝鮮は韓国についても「南朝鮮傀儡軍」という表現を使っていた。
ところが、最近の和解ムードから、アメリカは北朝鮮のテロ支援国を解除する方向に進んでいる。これに対応して、北朝鮮は「米帝」の呼称を「米軍」に変え、「南朝鮮傀儡軍」を「南朝鮮国軍」と変えている。また、近日中にはクリントン大統領の訪朝も期待されている。
2. 朝鮮半島に平和保障体系をつくること
韓国と北朝鮮の戦争状態は、実はいまだに終わっていない。1953年、停戦は合意されたが、終戦ではないのである。このため当然ながら、韓国と北朝鮮の間には国交がない。また民間交流面でも障害となっている。
そこで、停戦合意を発展させ、もっと強固な平和枠組みを作ろうというものである。これについては、南北朝鮮と中国・米国が参加する4者会談も進展すると見られる。
3. 北朝鮮が実質的に核凍結を約束
北朝鮮は核凍結を今回の外交カードとして用いた。北朝鮮は「(事実上)あらゆる長距離ミサイルを発射しない」という約束をした。
核凍結や長距離ミサイルの打ち上げ留保を約束する代わり、アメリカからの経済協力など、今回の合意を引き出したのである。
(2000.10.18更新)
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