たばこ会社による詐欺事件として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/03 06:48 UTC 版)
「エンストローム論文」の記事における「たばこ会社による詐欺事件として」の解説
1999年から米国政府は、2800億ドルという史上最大額の詐欺の件で、フィリップ・モリス等の9つの大手たばこ会社に対する訴訟を行っていた。その公判の中で、著者のエンストロームのたばこ会社とのやりとりの内容が明らかにされた。 2006年8月、グラディス・ケスラー連邦地方裁判官は、約1700頁の判決文の中で、「たばこが無害であるとの主張に合うよう、たばこ会社は科学を操作した」と認定。その判決文によると、たばこ会社は味方になる「科学者」を見つけ、タバコ会社関連団体から資金を提供し、巨額の報酬を払い、その科学者とたばこ会社の関係を隠蔽していたという。 ここでカリフォルニア大学のエンストロームは、その「科学者」の一人とされた。特に判決では、受動喫煙の健康への影響に関する科学研究を不正に変える、たばこ会社の4つの計画に言及した。そして、エンストロームの研究論文とたばこ会社との通信文が、大衆を欺く目的でたばこ会社が科学に操作を加えた証拠である、とした。 翌9月初めに米国がん協会(エンストロームはこの協会のデータを研究に利用した)は、カリフォルニア大学理事に対し、エンストロームを科学的根拠を不正に発表したことで非難する、との書信を送っている。カリフォルニア大学のブラム理事長は、「フィリップ・モリスが売上げを伸ばすため、わが大学の名前とエンストロームの名前を利用した」と述べている。 エンストロームは、カリフォルニア大の研究者としてはとどまれたものの、教授の地位を失った。給料も大学から支給されなくなっている。(参考文献)
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