たねこうじ

デジタル大辞泉

たね‐こうじ〔‐かうぢ〕【種^×麹】

読み方：たねこうじ

麹をつくるもと。コウジカビを繁殖させた粉砕穀物やふすまなどで、醤油・味噌など用途別に異なる菌種・材料でつくられる。

日本酒用語集

種麹（たねこうじ）

清酒麹の製麹では、麹菌の繁殖は胞子の発芽から出発する。その胞子を供給する役割を果たすのが種麹である。種（たね）もやしともいう。

焼酎・泡盛用語集

種麹（たねこうじ）

麹をつくる時に用いる種菌。もやし、種もやしともいう。製造方法は、玄米を軽く傷がつく程度に搗精（とうせい）したものを蒸して麹菌を植え、できるだけ純粋に培養して胞子を充分着生させた後、胞子が死滅しない条件で乾燥する。従来、種麹はこのようにしてつくった粒状のものであったが、近年はその胞子だけを篩（ふる）い取った粉状種麹もある。泡盛の種麹は、泡盛の製造にアワ、コメ双方が使用されていた大正のころまではアワ製のものがよく用いられた。そのつくり方は、出麹の良いところを取り、一日天日に乾燥して使用した。泡盛種麹はこのように友種を用いてきたが、沖縄においてこれが市販されるようになったのは昭和三一年（石川種麹店・皆造検査帳）からである。黒麹菌は明治四一年ころから九州の焼酎製造に導入されたが、その種麹の販売もそれに伴って順次行われたものと思われる。河内（かわら）源一郎『黒麹』によると、当時「種麹の製造発売を行へるもの四ケ所」とある。なお、白麹菌の種麹を製造販売する店ができたのは昭和七年である。