大陸斜面
読み方: たいりくしゃめん
【英】: continental slope
【英】: continental slope
大陸縁辺部において、大陸棚外縁より始まりコンチネンタル・ライズ上限に終わるやや傾斜の急な斜面をいう。大陸棚外縁の世界的平均水深はほぼ 130m であるが、コンチネンタル・ライズに移り変わる大陸斜面の基部(base of the continental slope)の水深は大西洋両岸において平均 2,400m である。大陸斜面基部のコンチネンタル・ライズへの遷移点は B.Heezen ら( 1959 年)によれば 1:40 以下の傾斜になる所として識別されるが、国連海洋法条約では斜面基部における最大傾斜変化点として規定し、この点を斜面脚部(foot of the slope)と名付け、領海基線から 200 海里以遠に延びる法的大陸棚の外限を定めるのに必要な重要な地形上の特徴とした。大西洋における大陸斜面の傾斜は大体において 3 度~ 6 度で、平均の幅員は 87km とされる(Emery and Uchupi, 1984)。以上は典型的な大西洋型大陸縁辺部においての地形であるが、太平洋型縁辺部では原則としてコンチネンタル・ライズを欠くから、大陸斜面は大陸棚外縁から海溝底に至る斜面となる。この場合、途中に深海平坦面を持つことがあり、また海溝に臨む急傾斜の斜面を特に海溝内側斜面(inner trench slope)ということが多い。また大洋火山島の場合では、大陸棚(島棚)外縁より直接深海底に達する斜面となる。大陸斜面は一般に確実な大陸地殻の前縁部であり、陸域および大陸棚同様の堆積盆地{たいせきぼんち}が発達する。現在既に地中海、アフリカ西岸、北米西岸、メキシコ湾で大陸斜面上部に油・ガス層が発見されている。海域の究極石油資源量の約 30 %が大陸斜面にあるといわれるが、説により評価はかなり異なる。(→大陸縁辺部、コンチネンタル・ライズ、大陸棚) |
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