その後の騒動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/06 02:36 UTC 版)
ダービーのあと、大騒動が起きた。勝者のベンドアに対し、替え玉疑惑が浮上したのである。 ウェストミンスター公爵の牧場にいた時代のベンドアを担当していた男が、死の床で、ベンドアとタドキャスター(Tadcaster)という馬が入れ替わっていた事を告白していた、という事実が明るみに出た。これが本当であれば、ベンドアの全出走履歴は無効となる。この騒動は1844年に起きたランニングレイン事件(不正を行って4歳馬を出走させて優勝した事件)以来、競馬における最大のスキャンダルだと言われている。 この話に拠ると、ベンドアとタドキャスターは見た目がそっくりで、牧場時代からしばしば取り違えが起きていた。最後に牧場から調教師のもとへ届けられる際に、取り違えたまま送り出してしまったのだという。10日間に及ぶ関係者への聞き取り調査が行われた。当時は牧場の記録もしっかり残っておらず、すべて関係者の記憶による証言に基いていた。結局、この異議は却下された。例の告白をした男は、ウェストミンスター公爵の牧場をクビになっており、その腹いせにデタラメを言ったのだ、ということになった。こうして公式にベンドアの優勝が確定した。 2011年に、ケンブリッジ大学の遺伝子学の調査チームによる検証が行われた。イギリスの各地には、18世紀の競走馬エクリプスをはじめ、様々な名馬の遺骨が残されており、これらから採取したDNAと現代の血統書の突き合わせが行われた。この結果、18世紀に遡るジェネラルスタッドブックなどの血統書は、「思っていた以上に」正確であることが確認された。しかし、ベンドアの遺骨から得られたDNA調査によって、ベンドアとタドキャスターは確かに入れ替わっていたことが裏付けられた。
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