ぜいこうか‐かいけい〔ゼイカウクワクワイケイ〕【税効果会計】
税効果会計(ぜいこうかかいけい)(income tax allocation accounting)
不良債権処理のために前払いした税金の一部を銀行の自己資本に算入すること。すでに納めた税金が戻ってくることを見込み、その分を資産として計上する会計手法のひとつ。
銀行は、融資先企業の倒産に備えて、貸し倒れ引当金を積んでいる。税法上、貸し倒れ引当金は利益とみなされるので、法人税がかかる。ところが、融資先企業が倒産した場合、損失が確定した時点で損金の扱いとなる。このとき、すでに納めていた税金が戻ってくるわけだ。
このような状況を念頭に、将来戻ってくる税金を資産の一部(繰り延べ税金資産)として計上することを税効果会計という。金融庁の基準によると、今後5年間に見込まれる課税所得の累計額に実効税率(約40%)をかけた金額を上限として計上することが可能だ。
2002年3月期では大手銀行の繰り延べ税金資産が総額8兆円を超え、中核的な自己資本の44%を占めた。アメリカの水準(約10%)に比べ、日本の銀行の自己資本は実力以上にかさ上げされていることが分かる。
(2002.10.28更新)
税効果会計
税効果会計
税効果会計とは、貸借対照表に計上されている資産および負債の金額と課税所得の計算の結果算定された資産および負債の金額との間に差異がある場合において、当該差異に係る法人税等の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期純利益の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理をいいます。
この定義は、わが国における税効果会計の定義であるため、資産負債法を前提としています。より広く定義するならば、企業会計と税務計算の差異がある場合において、当該差異に係る法人税等の金額を適切に期間配分することにより、法人税等を控除する前の当期純利益の金額と法人税等の金額を合理的に対応させるための会計処理ということになります。
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