石油備蓄(せきゆびちく)(oil stockpile)
石油の供給量が不足するといった非常事態に備えて、国と民間石油会社でそれぞれ一定量の石油を備蓄している。
1978年に始まった国による石油備蓄は、石油公団法を根拠とする。洋上や陸上の石油タンクに5000万キロリットルの石油が備蓄されている。備蓄量は段階的に引き上げられてきたが、これまでに取り崩したことは一度もない。
また、民間部門における石油備蓄は、石油備蓄法に基づき70日分の石油を備蓄することが義務づけられている。石油備蓄基地などに封印されている国家備蓄とは異なり、原油や石油製品として、流通過程の中で保有することが認められている。1991年の湾岸戦争のときに4日分の石油備蓄を取り崩したことがある。
国と民間部門による石油備蓄の理由は、1973年の石油危機(オイル・ショック)が引き起こした社会的な混乱を踏まえ、石油資源について全面的に輸入に頼っている日本経済を安定させるためだ。
政府は、アメリカによるイラク攻撃が始まった場合、国家石油備蓄の一部を放出する方針を打ち出している。
(2003.01.27更新)
石油備蓄
【英】: stockpiling of oil
緊急時における石油の安定供給を図るため推進されてきた。 1967 年の第三次中東戦争を契機として、1968 年度(昭和 43 年度)から財政投融資・税制を通じ、貯油施設の建設にかかわる助成が発足するとともに、1972 年度(昭和 47 年度)からは、石油開発公団(昭和 53 年 6 月から石油公団に改称)による原油購入資金融資を伴う 60 日備蓄増強計画が発足した。また 1975 年度(昭和 50 年度)には、第一次石油危機の経験を踏まえて、90 日備蓄増強計画が発足した(→石油備蓄法)。 さらにこれを補完すべく、1978 年度(昭和 53 年度)には国家石油備蓄制度が発足して、今日に至っている。(→国家石油備蓄) |

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