間接脱硫
【英】: indirect desulfurization
通常、高硫黄原油などを常圧蒸留装置で処理してから得られる常圧残油には 2 ~ 4 重量%の硫黄分が含まれている。これを低・中硫黄含有量の混合基材として使用できるようにするには、硫黄含有量を下げること(脱硫)が必要となる。この場合、常圧残油を直接、水素化脱硫する方式を直接脱硫と呼び、常圧残油を減圧蒸留装置で処理して減圧軽油と減圧残油とに分け、減圧軽油のみを水素化脱硫した後、減圧残油を混合することにより、製品としての重油の硫黄含有量を間接的に下げる方式を間接脱硫と呼ぶ。減圧軽油の脱硫プロセスでは、アルミナ担体に、Co 、Mo 、Ni 、W などの金属を担持させた触媒が使用され、反応条件は圧力 50 ~ 110kg/cm2 、温度 350 ~ 450 ℃である。減圧軽油は通常 1.5 ~ 3.5 重量%の硫黄分を含むが、水素化脱硫により、これを 0.1 ~ 0.5 重量%程度まで下げることが可能である。昨今は、常圧残油の直接脱硫技術の確立および直接脱硫プロセスの普及により、間接脱硫の要求度が減少してきており、脱硫減圧軽油は、重油の硫黄含有量低下の混合基材としてではなく、接触分解装置の主原料として使用されることが多い。つまり、間接脱硫装置は重油の間接脱硫用としてよりは、接触分解装置用原料の前処理装置(pre-treater)としての重要度を深めてきている。なお、運転条件を若干過酷にし、触媒を変えるなどして、減圧軽油の脱硫だけではなく分解を目的とした運転が行われることもある。これをマイルド・クラッキングと呼んでいる。減圧軽油の脱硫の工業的プロセスとしては、アイソマックス、ガルファイナー、ゴーファイナー、ユニクラッカーなどがある。 |

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