おもちゃの交響曲
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『おもちゃの交響曲』(英: Toy Symphony)は、オーストリアのチロル地方出身の作曲家で、ベネディクト会の神父でもあったエトムント・アンゲラーが1770年頃に作曲したと考えられている、いわゆる 「ベルヒテスガーデンの音楽」(独: Berchtolds-Gaden Musick、ベルヒテスガーデンの玩具店製のおもちゃを加えた音楽を意味する造語)と呼ばれる全3楽章からなる小交響曲。『こどもの交響曲』(独: Kindersinphonie)とも呼ばれる。
- ^ ただし、この事実はアンゲラー作曲説が1992年になって突然現れたということを意味しない。それ以前にも、モーツァルトやハイドンの研究で有名な音楽学者H.C.ロビンス・ランドンがアンゲラーの署名入りの楽譜を発見しており、日本にも1960年代半ばにはその情報が入ってきていた。例えば、志鳥栄八郎著「世界の名曲とレコード クラシック編 上巻」(1967年初版)でこの問題が取り上げられており、志鳥は同書の中で「(作曲者については)今後も、あるいは二転三転するかもしれない」としながらも、「(ハイドンが町のおもちゃ屋からおもちゃを買い込んできて、新しく作曲した楽譜と一緒に楽員に渡した。楽員たちはびっくりしたが、いざ演奏してみるとたいへん楽しい音楽だったので二度びっくりした、という)微笑ましいエピソードを思うとき、せめて作曲者名が確認されるまで、ハイドンの名前をそのままそっと残しておきたい」として作曲者は「ハイドン」とし、括弧付きで「レオポルト・モーツァルト?」としている。
- 1 おもちゃの交響曲とは
- 2 おもちゃの交響曲の概要
- 3 作曲者判明までのいきさつ
- 4 楽器編成
- 5 出版
- 6 参考文献
おもちゃの交響曲
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「エトムント・アンゲラー」の記事における「おもちゃの交響曲」の解説
広く知られたおもちゃの交響曲は永らく作曲者が判然とせず、推測される作曲者としてフランツ・ヨーゼフ・ハイドン、ミヒャエル・ハイドン、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト、レオポルト・モーツァルトなどの説が唱えられていたが、こんにちではアンゲラーの作品であることが判明している。 エトムント・アンゲラーの名前が世界的に注目されたのは、死後2世紀を経た1992年であった。チロル地方シュタムス修道院(Stift Stams)の音楽蔵書の中から、1785年ごろ当院の神父シュテファン・パルセッリ(Stefan Paluselli, 1748年 - 1805年)が写譜した『おもちゃの交響曲』のスコアが発見された。そこには同じくチロル出身で、それまで忘れ去られた音楽家エトムント・アンゲラーが1770年ころに作曲したと記されていた。またタイトルとして "Berchtolds-Gaden Musick"(「ベルヒテスガーデンの玩具店製のおもちゃを使った音楽」といった意味の造語)が付けられており、おもちゃ以外の弦楽器の編成としてヴァイオリン、ヴィオラ、バス(Violino, e Viola, con Basso)と記されていた。
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