内弁慶
「内弁慶」とは、身内に対しては横柄な態度を取るが、よその知らない人に対しては一転して内気で気弱な態度を取るさま、および、そのような人、を意味する表現である。「内弁慶の外地蔵」ともいう。
「内弁慶」の「弁慶」は、「義経記」をはじめとするさまざまな物語を通じて知られる僧兵、武蔵坊弁慶のことである。豪傑および荒くれ者の代名詞的存在として広く知られている。
つまり「内弁慶(の外地蔵)」は、「家の中では弁慶のごとく傍若無人に振る舞う(が、外ではお地蔵さんのようにひたすら固まっている)」という意味合いの比喩的な表現である。
「内弁慶」の例
引っ込み思案な子どもや、強度の人見知りをする子供は、家族に対しては快活あるいは暴力的な態度を取る場合も多い。このような性格は「内弁慶」と表現しうる。「内弁慶」と「人見知り」の違い
「内弁慶」と「人見知り」は、「よく知らない人に対して弱腰・引っ込み思案な態度を取る性格」という点で共通している。「人見知り」は、人の視線や態度が気になり、恥ずかしい気持ちになったりして、対人コミュニケーションをうまく図れないさまを指す表現である。
内弁慶は「家の中では横柄」という点に着眼するが、「人見知り」は必ずしも「家の中では横柄」とは限らない。身内に対する態度は陽気ではあるが「横柄」というわけではない、という場合も多い。家の中でも大人しく静かな性格である、という場合も多い。
「内弁慶」の類語
「内弁慶」と等しく「身内に対する態度はデカくて他人に対する態度は小物」という意味をそのまま示す表現は、見出し難い。「態度が小物だ」という意味だけなら「小心者」「臆病者」「いくじなし」「ノミの心臓」などの言い方で表現できる。
「陰弁慶」や「内弁慶の外地蔵」は、「内弁慶」の別名・異表記であり同義語である。
「内弁慶」の対義語
「内弁慶」とは正反対の「身内に対しては小心者のように振る舞うが他人に対しては横柄に振る舞う」といった意味の表現は、なかなか見出し難い。「外弁慶」は、一般的な国語表現ではなく造語の部類であるが、「内弁慶の反対」という趣旨は伝わりやすい。「内弁慶ならぬ外弁慶」のような言い方をすれば理解されやすいと思われる。
「内弁慶」に関連する用語の解説
「内弁慶(ウマ娘)」とは
ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」における「内弁慶」は、ウマ娘に付与できるスキルの一種である。効果は「最終コーナーで内ラチ側にいると速度がわずかに上がる」。うち‐べんけい【内弁慶】
内弁慶
- 自家に於ては、家人等に対して傲然たれども、他人に対しては卑屈なる者の称。「あんな-な男は無い」。
- 家庭では威張つて居るが外に出たら弱くなる人をいふ。
- (※一字欠。「内」か)では威張つていて、外え出ると意気地のない弱虫のこと。
分類 東京
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