『新年代記』の内容
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「ジョヴァンニ・ヴィッラーニ」の記事における「『新年代記』の内容」の解説
『新年代記』(Nuova Cronica)は全12巻から構成され、大きく2部に分けられる。前半6巻はバベルの塔からフリードリヒ2世までを扱い、父祖以前の歴史に属するため先人の著書に依存する部分が多い。また、ジョヴァンニはラテン語をほとんど知らなかったとされる一方で、聖書や古典に関する知識が豊富であり、それが記述にも生かされている。後半の6巻は1266年のシャルル・ダンジューのシチリア王継承から始まり、父親あるいは自己の生きた時代を描いて1346年で終了している。彼が銀行家・政治家として活躍した1310年代を描いた第8巻以後については綿密な記載がされており、彼が優れた観察者であったことがうかがえる。特に第11巻にある1338年頃のフィレンツェの風景と経済状況に関する記述の緻密さはヤーコプ・ブルクハルトにも注目された。また、彼も同時代の他の人々と同じく熱心なキリスト教徒であり、神の裁きや占星術を信じた記述があるものの、一方で経済特に商業関係の記述においては合理的な記述を尽している。ジョヴァンニは『新年代記』を書くにあたり、『都市起源年代記』、サンツァノーメの『フィレンツェ人事蹟』、『伝ブルネット・ラティーニ年代記』を史料として用いたとされる。
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