『戦争と平和』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 00:26 UTC 版)
「アウステルリッツの戦い」の記事における「『戦争と平和』」の解説
アウステルリッツの戦いはレフ・トルストイの小説『戦争と平和』のストーリーの重要なイベントとなっている。この会戦はフランス人の粗雑な論理や傲慢さに対してロシア人の価値観や超俗的な伝統そして素朴さを称揚する役割を果たすエピソードとなっている。会戦が始まろうとしていたとき、主要登場人物であるアンドレイ公は「来たる日が、彼にとってのトゥーロンまたはアルコラ(ナポレオンの初期の戦勝)になるのだろうか」と思いを巡らせている。アンドレイ公は栄光を望み、「私は先頭に立って進み、私の前に来るもの全てを一掃してやる」と決意した。だが、戦闘後に彼は敵の捕虜になり、彼にとっての英雄であるナポレオンと出会う。そして、それ以前の心酔は打ち砕かれ、彼はもうナポレオンについて考えなくなる。「つまらない虚栄心や勝利への喜びを称えた英雄の姿は、彼が見た高く、高潔で、寛大な空に比べて、ひどくちっぽけなものに見えた。」 トルストイはアウステルリッツの戦いをロシア人の最初の試練として描いている。兵士たちが栄光や報酬のために戦うという過ちを犯したためこの戦いに敗れた。トルストイは1812年のナポレオンによるロシア遠征のボロジノの戦いの際により崇高な価値が生み出されたとしている。
※この「『戦争と平和』」の解説は、「アウステルリッツの戦い」の解説の一部です。
「『戦争と平和』」を含む「アウステルリッツの戦い」の記事については、「アウステルリッツの戦い」の概要を参照ください。
- 『戦争と平和』のページへのリンク