『戦争の惨禍』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/07/30 09:38 UTC 版)
カロのもっともよく知られている作品は『戦争の惨禍』と題されたシリーズである。これは『大きな惨禍』として知られる1633年の18枚の作品と、それ以前に作られた未完の『小さな惨禍』からなる(名称は絵の大きさに由来するが、大きなものでも8×13cm程度である)。これらの絵では戦争のさなかで兵士たちが町や村、修道院で略奪と放火を行い、その末に上官によって処刑され、あるいは農民によって私刑にかけられ、あるいは体の不自由な乞食に成り果てる様が描かれている。『大きな惨禍』のシリーズが出版された1633年は三十年戦争によってロレーヌ地方がフランス軍から侵略を受けていた年であり、カロの『戦争の惨禍』はゴヤの『戦争の惨禍』シリーズと並ぶ、戦争の非人間性に対する芸術による告発の例となっている。
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